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漢字暦

白川静漢字暦 (2023年)


教学

教学

2023年4月の漢字暦(平凡社)

四月の字は、「教学」

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教、学、効、講、諭の 字解です。

引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・ 

更新日  2023年4月16日(日)


この字は見ていたのではないかと思ったが、自サイトサーチでは出ていない。ごんべん関連としては、
「言語」
言、話、語、誰、誤2021f/kanji_koyomi_202110.html
2011f/kanji_koyomi_201102.html
「しるす」 
銘、紀、識、題、籍 2018f/kanji_koyomi_201811.html
「とく」(講の字あり)
解、釈、講、論、説、辞 2018f/kanji_koyomi_201803.html
「つげる」
告、赴、冊、詔、詞/2018f/kanji_koyomi_201804.html
「とう」
諮、詢、詰、聘 2016f/kanji_koyomi_201611.html
子の関連


甲骨文

天女モード『漢字ときあかし辞典』によれば、
「軽い気持ちで使ってね?」と疑問符がついています。(以下引用p125)
部首は攵(のぶん)で、”手に棒を持った形”。本来、”子どもに強制的に何かを習得させる”ことを意味する漢字だという。
転じて広く”知識や知恵・技能などを伝える/伝えてもらう”ことを表す。
名前で「のり」と読むのは、”守るべきやり方”を意味する古語。 また「宗教」の省略語として用いられることも多い。


金文

天女モード『漢字ときあかし辞典』によれば、
大人になっても続きます、と。
本来は部首の「子」が示すように、”子どもが先生から教えを受ける”という意味だったが、現在では様々な場面で見られると。
以前は「」と書くのが正式で、見た目がおごそかなせいか、「大學」のように、現在でも好んで「學」を書くことがある、という話がなるほど。((笑))

(こう)と子と攵とを組み合わせた形。
爻は屋根に千木(交差した木)のある建物。
子はそこで学ぶ子弟、
爻と子どもを組み合わせた字は學のもとの字。(「常用字解』)


篆文

天女モード『漢字ときあかし辞典』によれば、
”上から目線”には注意したい、と。
中身を抜き取ることを表す“兪”に部首「言」を組み合わせて、本来は”言葉で疑問をとり除く”ことをいう。”話してわからせる”という意味で用いられる。うまく使わないと、相手がカチンとくることもある漢字である。

兪は把手(とって)のついた手術刀(余りで、患部の膿血を刺して盤(月は舟で盤の形)中に移し取る形で、病気や傷が治ることをいう。
病気を治すように、人の誤りを言葉でさとして直すことをいう。(『常用字解』)


『漢字ときあかし辞典』によれば、
言葉の持つ重要なはたらき、”言葉で説明する”ことを表すのが代表的な意味。以前は、講の異体字・旧字体と書いた。
の部分、その上にある部分と同じでかたち、つなぎ合わせるという意味を持つかたちで、(ふせご)の部分のように、横棒が突き出ている。

https://mojinavi.com/d/u8b1b


甲骨文

『漢字ときあかし辞典』によれば、
以前は部首は力でなく、攵でと書き、”期待通りの結果を出させる”リう意味。
似た意味で「きく」と訓読みする漢字の「」は”うまくはたらく場合。「効」は”はたらいた結果が出る”場合に使うのが基本だが、微妙なので、「利用」「効果」のどちらの意味に近いかに寄ってるかで分けるのも一つの考えである、とある。(p186)

古い字形は矢と攵。攵には打つの意味があり、矢を殴って曲がった形の矢がらを正しく直す意味の字。( 『常用字解』)

以上、平凡社の2023年4月の漢字暦より5字の字解。

 

馬の象形
馬の鬣(たてがみ)
『漢字の字形』第1章の 扉絵

落合淳思著(中公新書2019)


常用字解 第二版
白川 静著 平凡社 2012


四字熟語ときあかし辞典
円満字 二郎著 研究社 2018


部首のはなし―漢字を解剖する
阿辻 哲次 著 (中公新書– 2004)