漢字暦

白川静漢字暦 (2023年)


犬牲

犬牲

2023年2月の漢字暦(平凡社)

二月の字は、「犬牲」

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突、伏、戻、犮、厭、 の 字解です。

引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・ 

更新日  20223年2月14日(火)



篆文

竈は竈神(そうしん)の居るところで、天の神霊に通じる極めて神聖なところであるから、そこに犬牲を供えて祓った。


金文

==以下引用==========
建物の奠基てんき(地鎮)や墓室の棺の下などに、人と犬とを犠牲として、埋めるものを伏瘞(ふくえい) という。
埋蠱まいこなど、地中よりする蠱物を防ぐためである。


篆文

==以下引用===========

戸(門や家の出入り口)の下に犬牲を埋めて呪禁とすることをいう。
戸は内外に通ずる要所であるから、厳重な呪禁を必要とするので、戸下に犬牲を埋めて、地下よりする邪悪な霊などの侵入を防ぐ・そこで、「戻」には、もど・る、いた・るの両訓がある。


金文

字は祓禳ふつじょう の祓(はらう)の初文とみてよく、犬牲を以て邪悪を祓うことをいい、その犠牲として磔殺された犬の形が犮はつ


篆文

厭(えん) (「新訂字統普及版」 p142)

以上、平凡社の2023年2月の漢字暦より。