色colour (アメリカでは color と表記する)
※中国人の緑色概念について
例えば、同じミドリ色でも、
緑(りょく) 植物系の温かいミドリ
碧(へき) 宝石のような無機質で冷たいミドリ
翠(すい) カワセミの花のように光りかがやく高貴なミドリ
など、全く違う語でいい分けた。
これと対照的に、古代ヤマト民族は、色彩を表す言葉をあまりもたなかった。
和語の赤は「明し」、青は「淡し」、白は「著し」、黒は「暗し」という明暗濃淡を示す語の転用である。
現代日本語でも、明るい太陽を「真っ赤な太陽」、淡く輝く月を「青い月」などというのは古代の名残である。
和語のミドリは、もともとは色彩ではなく触感を表す語で、和語ミヅ(水)の派生語である。
ミドリゴ(嬰児)は、みずみずしい肌のふくよかな赤ちゃん
(※「ミドリの黒髪」は、漢語の緑髪=(濃緑色のつやのある黒髪)の訓読語で色彩語)
和語ミドリは、漢語の緑の意味に引きずられ、純粋な色彩語に転じてしまった
古代の和語の世界は、まるで白黒映画であった
(2013-01-02追記)
2011-01-15
光の三原色 (赤・青・緑)
・・3つ重ねると白になる。光が何も無いのが黒。)
色(色料)の三原色
(インクなどを作る場合)、元の光を遮る形で色を作る・・
3つ重ねると物体の表面は黒になる。
人間の目の構造(三色型色覚)
鳥:赤外線(4色) 殆どの動物:青と緑(2色)
キュクロプスの眼、という語だが、これは眼が一つしかないキュクロプスと眼が二つある人間との物の見え方が違うという話だと思っていたのであるが、違っていた。
なんと、我々も結局のところ、1つの眼で外界を見ていると言ってよいと、人間の双眼一視の形として、ヘルムホルツが名付けたというのである。
ヘルムホルツ(Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz, 1821- 1894)独 生理学者
「生理学の分野では生理光学、音響生理学における貢献が大きい。トマス・ヤングが、かつて提示した光の三原色に関する理論を発展させ(ヤング=ヘルムホルツの三色説※)、残像の色彩や、色盲についての説明を可能にした。」(Wikipedia)
左右単眼視⇒立体視(p55)
※「色覚に赤、緑、青(あるいは紫)の3要素があり、これらが同じ割合で刺激されると白色を感じる。色別は3要素の刺激の比率に応じて生じる、というものである。その後、網膜の色覚受容器である錐状体に、赤、緑、青 (RGB) に最もよく反応する3種が区別された。これらの要素の1つないし2つを欠くと色盲となり、感度の鈍いものは色弱となる。大部分の色盲表やカラーフィルム、カラーテレビはこの説を応用している。』(Wikipedia (Young-Helmholtz theory))
目のある動物は、光センサとなるタンパク質(オプシン)とビタミンA(レチネン)の化合物を持ち、これを含む視細胞の作用によって外界を見る。
すなわち、光の受容器である網膜に生じる生化学反応を、外界像という知の情報に組み替えて、つまり、光のエネルギーを情景情報に読み替えて利用している。
(p2) 眼は脳の一部とみなすこともできる
入力⇒脳における2段階の資格情報形成過程
(網膜、外側膝状体 、一次視覚野、二次形成過程)⇒出力
黄色と青色の特質
赤や緑に比べて、黄や青は明るさの知覚に関連する性質を持っている
「反射光が問題にされるようになったのは、絵画の場合で、立体表現の基本技術の一つになった。」(p41)
⇒ゴッホの青色の影「絵画の場合は、色彩美は黒色を背景をする場合に最も印象的に感じられるようだ(有彩色間の相互作用が生じないため)」(p153)
染物に植物を使う
植物由来の天然染料(アカネ、アイ、ウコン、ベニバナ、ムラサキ=紫根)
物名からの借用。
「〇〇色」を「〇〇の色」というように分割できないものが古い
染料植物パステル(フランス語)について・・
1. イメージ・シンボル事典
三原色 | 喜怒哀楽の感情 子どものよく用いる色 素朴さ |
雑色 | 不実・虚偽 複雑 多様性 |
赤 | 使徒・殉教者 |
黒 | 死者へのミサの際に聖職者が着る色 |
緑 | 日曜日に聖職者がよく着る色 |
色の解釈には個人差があるにおかかわらず、
古代諸文明はそれぞれ伝統的に
色に関する一定のシンボル体系を持っていた。
それは多様な席世界の中で自らの位置を決めたり、
世界を秩序付けるための基本原理に関連していた
古代マヤ文明 | 古代中国 | 古代エジプト | |
東 | 赤 | 青 | |
西 | 黒 | 白 | |
南 | 黄色 | 赤 | |
北 | 白 | 黒 | |
中央 | 黄色 | 赤(赤土色)=不気味で有害な色 |
西洋 | べックラー「紋章学」(17世紀) | |
緑 | 希望 | 自由、美、快活、健康、希望、温厚 |
赤 | 愛 | 「祖国に使える美徳への切なる願い」 「神の御言葉のためには血を流すことも辞さない恭純な心」 |
青 | 誠実 | (金)持続性、誠実、学問、敬虔 |
黄色 | 嫉妬 | 徳、知性、名声、崇高 |
白 | 無垢 | |
黒 | 死 | 哀しみ、不幸、危険 |
色はシンボルとして両義的
~2011年1月22日 ~
この本については後ほど~2011年2月24日 ~
「色で読む中世ヨーロッパ」の目次読書
色と植物
→→ 色のしくみに続く