漢字暦

白川静漢字暦 (2023年)


形容詞

感動詞

2023年11月の漢字暦(平凡社)

十一月の字は、「感動詞」
  1. me
    烏、於、呼、唉、噫の 字解です。
  2. 引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他。今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・ 
  3. 更新日  2024年5月18日(土)


金文

天女モード
『漢字ときあかし辞典』によれば、「こだわった分類だなぁ・・・」

鳥の”カラス”を表す。全身が真っ黒で目がどこにあるのかわから愛ので、「鳥」の”目”の部分を抜いて書くのだという。

漢文では、ほかの言葉の前に置かれて”そうではない”ことを強調する働きがある。「烏有」(うゆう)とはまったくないこと。「烏有に帰す」とはあったものが”まったくなくなる”ことをいう。

天女モード
『漢字ときあかし辞典』では音読みは「ウ」、訓読みは「からす」のみだが、白川静『漢字の体系』では、その他に音読みでは「オ」、訓読みでは、「ああ・なんぞ」もあり。

感動詞「嗚呼(ああ)」、ではなく感動詞「烏呼(うこ)」


金文

天女モード『漢字ときあかし辞典』にはこの字は無い。

白川静『漢字の体系』によれば、

金文に、縄を張り渡して、それに烏の羽を解いて結びつけた形に作る。


甲骨文

天女モード『漢字ときあかし辞典』によれば、「音のある”息”、音のない”声”」

「嗚呼(ああ)」は本来、大昔の中国語でため息の音を表す擬音語で 、「ああ」と読むのはそれを日本語に置きかえたもの。漢字の世界では、”息”と”声”とはほとんど同じものなのである。


金文

『漢字ときあかし辞典』によれば、

白川静『漢字の体系』によれば、

ㇺ(し)(耜(すき)の形と矢とに従う字で、耜に矢を添えて、尾を酪大声を発し、これを清める意の字であろう。したがって、
従って、唉は、そのような呪的な目的で発する声をいう。


篆文

『論語』 先進第十一の九
「天予を喪ぼせり」

顔淵死、子曰、
噫 天喪予、天喪予。
(書き下し文) 顔淵 がんえん 死す。
子曰く 噫、天われを ほろ ぼせり、天われを喪ぼせり

 


落合淳思著(中公新書2019)


常用字解 第二版
白川 静著 平凡社 2012


四字熟語ときあかし辞典
円満字 二郎著 研究社 2018


部首のはなし―漢字を解剖する
阿辻 哲次 著 (中公新書– 2004)