2018年3月は、「とく」の意味のある、
解、釈、講、論、説、辞の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・
更新日 2018年4月25日(水)
甲骨文
==以下引用===========
「開」は角と刀と牛とに従う。
刀で牛角を切り取る意で、
【説文解字】 四下に「判(わか)つなり」といい、
のち牲体を解く意となり、
またすべてのものを解釈する意となる。
釋(釈)も、獣爪(べん)を以て獣屍(睪えき)を解く意である。
==以下引用===========
「説」の声符は兌(えつ)。
兌は巫祝(兄)が神に祈り、
神意を承けて惝怳 (しょうきょう)の状態にある意で、
八の形は神気の降る意。
悅(悦)・脱と声義の通ずるところがある。
==以下引用===========
「辞」の旧字は、辭に作り、●(らん)と辛(しん)とに従う。
● (旧字の左部分)は架糸の上下に手を加えている形で、
糸の乱れているさまを示し、亂(乱)の初文。
亂はその乱れている糸を乙(いつ)(骨べらの形)で
解きほぐしてゆくのであるから、
「亂(おさ)む」と読むべき字である。
辭はその乱れている糸を辛(はり)で
解きほぐしてゆくのであるから、
亂と同じく治める意で、辞説の意に持ちいる。
それは獄訟(裁判のとき、
その嫌疑を解き明かすこと、その弁解の辞をいう。
篆文
金文
==以下引用===========
「講」の声符は冓(こう)。
冓は結合を象徴する組紐の形;
【説文解字】 三上に「和解するなり」とあり、
その意には、古くは媾を用いることが多く、
講話のために通婚することがあったのであろう。
講は内部構造を解明することをいい、
事理を通じ、事案を考えることを言う。
ゆえに論講の意となる。
==以下引用===========
「論」の声符は侖(りん)。
侖に次序を以て全体をまとめる意がある。
【説文解字】 三上に「議(はか)るない」とあり、
また言字条に「論難するを語と曰ふ」とあって、
討論することをいう。
討は検討。是非を定め、適否を決することをいう。
以上、平凡社の2018年3月の漢字暦より。