飛、跳、翰、翩、翏の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・
更新日 2018年9月19日(水)
篆文
==以下引用===========
「飛」は鳥の飛ぶ形に象る。
【説文解字】十一下に、「鳥翥(と)ぶなり」
また翥(しょ)字条四上に、「飛び擧がるなり」とあり、
飛は羽を張って飛ぶ形。すべて高飛するもの、
迅速・急速の意があり、
飛雲・飛閣(高楼)・飛檄(急を要する檄文)のようにいう。
==以下引用===========
「跳」の声符は兆(ちょう)。
兆は卜兆(亀卜で現れた亀裂)の走り裂ける形。
【説文解字】に下に「蹶(つまづ)くなり」とするが、
跳出・跳躍の意に用いる。水を渡ることをいう。
これより渡過する意となる。
==以下引用===========
「翰」の声符は倝(かん)。
倝は高い旗竿に吹き流しのなびく形。
【詩、大雅、常武】「飛ぶが如く翰ぶが如し」、
【詩、小雅、小宛】
「翰(たか)く飛んで天に戻(いた)る」など、高く飛ぶ意に用いる。
羽・筆毛の意にも用いる。
==以下引用===========
「翩」の声符は扁(へん)。
扁に扁平、ひらひらするものの意がある。
【説文解字】四上に「疾(はや)く飛ぶなり」とあり、
翩翩(へんべん)とは、鳥が軽やかに早く飛ぶさまをいう。
【詩、太雅、桑柔】
「旟旐(よてう 旗の流し)翩たる有り}とは、旗が風になびくさま。すべて軽妙な姿をいう。
==以下引用===========
「翏」は両翼と尾羽の形。
【説文解字】四上に、「高く飛ぶなり。羽に從ひ、●(しん)に従ふ」と会意とするが、全体を象形としてよい。
【荘子、斉物論】「而(なんぢ)獨(ひと)り
之れが翏翏たるを聞かざるか」の[注]に「長風の聲なり」とあり、
もと羽声を形容する語であった。
以上、平凡社の2018年8月の漢字暦より。