2018年1月は、「ゆたか」の意味のある、
曼、肥、(盈・宛)、丰、汪、裕、の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・
更新日 2018年1月17日(水)
豊か・・という字しか浮かばないのですが、これは豐で 丰(ほう)のところ で説かれ、漢字暦で一番大きな字は金文の「曼」でした
==以下引用===========
「曼」は冒と又に従う。
冒は頭衣をつけ、目が下にあらわれている形。
または手の形。頭衣を引いて、
眉目の美しさがあらわれる意。
【楚辞、招魂】「娥眉曼ろく」(ろくは目へんに彔)
とは、婦人の美しい目元をいう。
==以下引用===========
「丰」のは草木のさかんに茂る形。
金文の字形は、
禾(いね)の穂が上に高く伸びる形につくる。
奉は苗木や秀 (ほ)つ枝を奉ずる形、
豐(豊)は禾の穂を豆 (とう)に盛る形で、
豊満の意がある。
「角川大字源」巻末の同訓異義集、豊
もと、祭器に食物を高く盛り、満ちている意で、大きくゆったりし、満ちていること。
==以下引用===========
「肥」は肉(月 にくづき)と卩(せつ)とに従う。
卩は人の跪坐(跪坐)する形。
その時下体の肥肉が著しく
あらわれることをいう。
肥は坐して腿のあたりの肉の
ゆたかなさまを示す形で、
沐浴のために盤中に坐する形は盈( えい)、
また廟中に祈る姿を宛(えん) という。
==以下引用===========
「汪」の声符は王。
==以下引用===========
「裕」の声符は谷(よう) 。
谷は容・欲の従うところでその音に近く、
渓谷の谷(こく) とは異なる児である。
祝祷の器であるを以て祀り、
その上に髣髴(ほうふつ) として神気のあらわれる状態を容といい、
その神気に祈り請うことを欲という。
【国語、周語上】に、享祀(きょうし) すること時に至り、
布施優裕なり」のように、
神事に関していう。のち、人の裕福なことをいう。
「角川大字源」巻末の同訓異義集、裕
気分やからだがゆったりとして、のびやかである。
「寛裕」「優裕」
以上、平凡社の2018年1月の漢字暦には、
曼、肥、(盈・宛)、丰(豊)、汪、裕 が挙げられていたが、 「角川大字源」巻末の同訓異義集を見ると、寛、饒、胖、豊、裕、優の6字であった。 ここで、寛、饒、胖、優の字の解字を追加します。
===以下引用=(「角川大字源」巻末)=====
1.寛(かん)
「猛」「窄」の対。
家・器・物・気・性が、広くゆったりとして、のびやか。
2.饒 (じょう)
物がたくさんあって満ち足りる。
人格に対する掲揚としては用いない。
3.胖(はん)
ぽってりと大きい。
4.優
「劣」の対で、余力のある意。
ゆったりとして、こせこせしない。