白川静漢字暦 (2018年)


つげる

四月の字は、「つげる」

2018年4月の漢字

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2018年4月は、「つげる」の意味のある、

告、赴、冊、詔、詞の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・ 

更新日  2018年6月8日(金)


告()

甲骨文

==以下引用===========

「告」の旧字は「」に作り、木の小枝に、祝祷を収める器サイを着けた形。
木の省形と口(サイ)とに従う字である。
卜辞に「貞(と)ふ。疾(やまい)叉(あ)るに、羌甲(きゃうかふ 祖王の名)に告(いの)らんか」にのように、
祈る意に用いる。告はその祈り方を示す字。 

 篆文

==以下引用===========

「赴」の声符は卜(ぼく)
卜に仆(ふ)・訃(ふ)の声がある。 
【説文解字】二 上に「趨(おもむ)くなり」とあり、
速やかに至ることをいう。
【礼記】には多く、訃告、
【左伝】には多く、赴告の意に用いる。

甲骨文

==以下引用===========

」の声符は冊(さく)。冊は木柵の形。
神に供薦する犠牲をその中に置いた。曰(えつ)は祝詞を収める器 。
」は犠牲を供えて祝祷する儀礼をいう。
卜辞の用法では「一豕一羊を燎(や)き、三牛を卯(ころ)し、五十牛を(きよ)めんか」のように用いる。
燎は炙(や)く、卯は分割する意で劉の初文。
共に犠牲を処理する法。は犠牲に供する前に、予備儀礼をして清める意である。
【説文解字】 五上に「告ぐるなり」とあり、そのことを神に伝える儀礼であろう。


 

篆文

==以下引用===========

「詔」の声府は召(しょう)。 
召は祝祷して、霊の降下を求める意。
その神意の告げるところを詔という。
【説文解字】 三上 に「告ぐるなり」とあり、
詔誥の意とする。
秦以後、天子の勅命をいう。


 

篆文

==以下引用===========

「詞」の声符は司(し)。

司は祝祷の器(サイ)をひらき、
神意を伺い覗(み)る意で、その祝祷の辞を詞という。
[楚辞、離騒]「重華(ちょうくわ)(舜)に就きて
詞を陳(の)べん」というのは祝詞、
それが字の原義に近いよう法である。

以上、平凡社の2018年4月の漢字暦より。

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