漢字暦

卓上型白川静漢字暦

  今年のカレンダーは平凡社の 白川 静 漢字暦 2011 卓上版
せっかくですので、この1年毎週、そこにある一字の漢字を見ています。
1月はこちら。只今は2月

字源は体系的に、字群によって証明されることを要する」(「字統の編集について」)


言・告

第6週

書かれていることは以下
==以下引用===========
言は、辛(はり)とサイからなる。
サイの上に辛を置くのは、神に告げる言葉にもし不信のことがあれば、 辛器で入れ墨の刑を受けるという誓いのしるしである。 「言」は訴えを意味し、そのサイを榊の枝にかけて神に訴えることを「告」という。 「言」や「告」は、言葉の呪能(じゅのう)を通じて他者に働きかける、 積極的な、ときには攻撃的な性質をもつ行為である。

更新日2011年1月30日(日)


いれずみ(文身・刺青・入墨・tatto) の文化について、こちらへ・・・

語・舎・害

第7週

書かれていることは以下
==以下引用===========

語・舎・害

攻撃的な「言」に対して、防御の方法もまた同じ形式で行なわれた。
「語」のもとの字は「吾」。
それは サイ(祝詞の器)の上にⅩ型の大きな蓋を置いて、 サイのうちに託してある言葉の呪能(じゅのう)を守ることを意味する。
これに対して「舎」「害」は、把手(とって)のある大きな余(はり)でサイを突き破って、 サイのなかに納められている呪能を失わせることを言う。

更新日2011年2月5日(土)

2011年第8週

書かれていることは以下
==以下引用===========
「音」は「言」の字形の中のサイの部分に一画を加えた形である。
すなわちその器中に、ある気配が現れることを示す字形である。 それがおと」であった。神は「音(おと)なひ」によって、「音(おと)づれ」るのである。
音は、霊なるものの「訪れ」であった。

更新日2011年2月13日(日)


これはどうなんでしょうか・・ 『角川大字源』を参照します。
その解字では、形声で、
意符のげん(辛の下に口(=言(ことば)と、
音符の一(イツ⇒イン(=ひきのばす意(=引)から成る。
引き延ばした言葉=口から出る声の意。類字=「声」
サイを口のことだとする限り、こういう解になりそうだが・・
(音づれ=訪れ は気になるところ。)

『字統』を参照します

会意。指示的な字であるが、言が既に会意であるから、それが変化したものとして会意とする。 神の反応があるときには、「神の音なひ」として暗示があるとされ、その「音なひ」を音という・・

闇・問

2011年第9週

書かれていることは以下
==以下引用===========
「問」は人の家の門口で ものをたずねるというような字ではない。門の前に置かれているのはサイ(祝詞の器)であり、神に申す言葉である。 「門」は神のいます廟(みたまや)の門である。
その「問ひ」に対(こあ)える神の応答が「闇」(あん)、
すなわち「音なひ」である。
神は姿の見えない幽暗の時に「音づれ」るのである。

更新日2011年2月21日(月)


これはどうなんでしょうか・・ 『角川大字源』を参照します。
その解字では、形声で、
意符の門(もん)と、
音符の音(イン⇒アン(=とどめおさえるの意(=按)から成る。
門を押さえ閉ざす意。ひいて、「くらい」「やみ」の意に用いる。

『字統』を参照します
項目としてはなく、「暗」のところに
暗は古くは闇と書かれ、経伝(けいでん)にはみな闇の字を用いる 。 すなわち、闇がもとの字で、暗 はその分化した字である
同じく廟門に言を置くのは、誾(ぎん)。その字はおそらく、もと廟門で哀訴することをいう字であろう。」
誾・・『説文』に門声とするが門声の字にこの音はなく、形声であろう。

次週は

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  8. 闇・問

口(さい)(さい)

神に祈り誓うときの祝詞を入れた入れ物

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