漢字暦

卓上型白川静漢字暦

今年のカレンダーは平凡社の 白川 静 漢字暦 2011 卓上版
せっかくですので、この1年毎週、そこにある一字の漢字を見ています。・・7月に。

字源は体系的に、字群によって証明されることを要する」(「字統の編集について」白川静)





2011年第28週

(以下引用)
「陽 (よう)」の音符(音 おん をあらわす符号)は「昜(よう)」。
「昜」は台上に霊の力を持つ「玉(ぎょく)」(日)をおき、その玉光(ぎょくこう)が下方に放射する形。
玉光には、人の精神を盛んにし、豊かにする魂振り(たまふり)の働きがあるとされた。
ふ(ふ)」(阝。元の形は
神が天に陟(のぼ)り降(お)りするときに使う、神の梯(はしご)の形。
「陽」はその神梯の前に玉をおき、神の威光を示す字である。

更新日2011年6月26日(日)




2011年第29週

(以下引用)
「陰 (いん)」の音符(音 おん をあらわす符号)は「侌(いん)」。
「侌」は「云(うん)」(雲の形で、雲気うんき)に、「今(こん)」(栓のある蓋で、おおうの意味がある)を加えて、その気をおおい、とじこめる意味を表す。
その光をとざし、神気(しんき)をとじこめることから、「とざす、おおう、かげ、くもる」の意味に用いる。

更新日2011年7月11日(月)


「陽」の字にあるこざと扁が、神のはしごであるという。陰の方も対で、「神気(しんき)をとじこめる」・・
「陰」は「気」に関係する字であった・・・・
Wikipediaによれば、以下の通り、 元、天気に関係する字であったとあり。

陰と陽とはもともと天候と関係する言葉であり、陰は曇りや日影、陽は日差しや日向の意味として『詩経』などの古書に表れる。『春秋左氏伝』昭公元年に天の六気として陰・陽・風・雨・晦・明とあり、ここで陰陽は寒暑の要因と考えられ、また昭公四年には陰・陽・風・雨が季節を特徴づける気候の要因として扱われている。
※陰陽と十二支という図あり

陰陽陰陽魚の太極図
Wikipedia太極図



降・際


2011年第30週


「降(こう)」 は 「ふ(ふ)」(阝。元の形はと「夅(こう)」を組み合わせた形。
「夅(こう)」は下向きの左右の足跡を 上下に並べた形で、くだる意味を示す。
神霊が神梯(しんてい)を降(くだ)ることを「降」といい、 天上に陟(のぼ)り降(お)りすることを「陟降(ちょくこう)」という。
「際(さい)」は神の陟降する神梯の前で祭ることを示す字で、そこが「神人(しんじん)の際」 神と人との相会(あいかい)するところである。
「祭(さい)」は人が神と接するための儀礼であった。

更新日2011年7月18日(日)




2011年第31週

「限(げん)」 は神梯(しんてい)に従う字である。
神の陟降(ちょくこう)するこの聖所は、みだりに他の侵入を許すべからざるところであるから、
そこに呪眼(じゅがん)をかけて、接近することを禁じた。
「艮(こん)」はその呪眼と、その下に卻(しりぞ)く人の形をしるしたもので、
その呪眼に辟易して立ち去ることをいう。
「眼」の従うところの「艮」も、 「限」の従うところの「艮」と同形の字で、 「眼」とは呪力のある眼をいう。
「限」とは、人の入りがたい、極限のところである。

更新日2011年7月25日(月)



次週は8月(2011年第32週)に入ります。
...以下続く


上に戻る

neko_atama_byM's Archive

  1. 口(さい)
  2. 史(ふみ
  3. 使・事
  4. 尋・左・右
  5. 兄・祝
  6. 言・告
  7. 語・舎・害
  8. 闇・問
  9. 見・望
  10. 蠱・蔑
  11. 孕・身・后
  12. 棄・流
  13. 犬・伏
  14. 降・際
  15. 風・鳳
  16. 龍・虎

口(さい)(さい)

神に祈り誓うときの祝詞を入れた入れ物

落合淳思さんの「甲骨文字小字典 」 ( (筑摩選書)2011/02/16刊)なども 参照しながら、後ほどさらに追記します。



上に戻る

クレオパトラ