漢字暦
「字源は体系的に、字群によって証明されることを要する」(「字統の編集について」白川静)
子
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(以下引用)
「子
(し)」は、殷では王子の身分称号であった。
その字は一手(いっしゅ)を挙げ、一手ヲ垂れていて、釈迦降誕の時のような字形である。
普通の「子」は両手を上に挙げる形に描かれている・
更新日2011年5月1日(日)
孕・身・后
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(以下引用)
「身(しん)」や「孕(よう)」は、その字形からもしられるように、懐妊の象(しょう)である。
それで「身」「孕」は「はらむ」とよむ。
分娩する形は「后(こう)」である。
「后」とは子供のある妃(きさき)のことであろう。
もとの字は、人の後ろの部分から、こが倒(さか)さまに生まれ落ちる形にかかれている。
それでまた、後のいにもちい、午后(ごご)のようにいう。
更新日2011年5月8日(日)
棄・流
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(以下引用)
初めて生まれた子は棄てられ、流されることがあった。
「棄(き)」は子を
「箕(き) 」(穀物の塵などをはらうかご)に入れる形・
「流(りゅう)」は※(とつ)(子の倒(さか)さまの形)を水に流すことを示す字である。
中国の西南方の異民族である獠族
(りょうぞく)では生まれ落ちた子を水に投じて、その浮沈するさまによって育てるか否かを決する俗があったという。
更新日2011年5月19日(日)
保
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(以下引用)
「保(ほ)」の形は人が子を背負う形である。
その頭上には「玉(ぎょく)」を載せる。
「玉(たま)」は国語で「魂(たま)」とも音(おん)が通じているように、霊魂の観念を持つ。
それで
「保(ほ)」の字形は、新生の子の受霊の儀式を示すものであることが知られる。
子の右すその方に、わずかに添えられている斜めの線は、魂衣(たまぎぬ)である。
実際の儀礼では、おそらく初生(しょせい)の子をその魂衣に包んで、
その霊を守ったものと思われる。
更新日2011年5月29日(日)
次週は6月(2011年第23週)に入ります。
...
以下続く
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neko_atama_byM's Archive
(さい)
神に祈り誓うときの祝詞を入れた入れ物
落合淳思さんの「甲骨文字小字典
」 ( (筑摩選書)2011/02/16刊)なども
参照しながら、後ほどさらに追記します。
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