2017年12月は、「くれ・くれる」という意味を持つ、(暮,晩,昏,臘,旰)の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・
更新日 2018年1月9日(火)
2017年の「暮れ」はすでに過ぎ、2018年が「明け」ています・・・遅くなりましたが、今年も漢字暦の勉強を・・
==以下引用===========
「暮」の声符は莫(ぼ)。
莫は草間に日の沈む形で、を暮のもとの形。
【説文解字】 一下に「莫は日の且(まさ)に冥(く)れんとするなり。
日の■(ぼう)中に在るに従ふ。
■は亦聲なり」(小徐本)という。
草原に日が没しようとする形であるから、その下にまた日を加えるのは繁文であるが、
莫が多く否定詞に用いられるようになって、
さらに日を加えた暮の字が作られた。
日の上部は「老」の上部の形と同じで、長髪の老人を横から見た形。
■=艸を二つ上下に並べた字
※「冥」も「く」れに関係があるようだが・・
==以下引用===========
「晩」の声符は免(めん)
【説文解字】七上に「暮(くれ)なり」とあり、
晩暮をいう。
日の晩暮の意より、晩春・晩年・晩学のように
時期・年齢にもわたっていう。
==以下引用===========
「昏(こん)」は氏と日とを組み合わせた形。
氏は肉を切る小刀の形。氏族共餐の時、
これを用いて肉を切り頒(わか)つので、
のち氏族の意に用いる。
日の形の部分はおそらく肉塊の象。
卜辞により「旦より昏に至るまで雨ふらざるか」のように、
昏旦(朝夕)の字に用いる。
==以下引用===========
「臘」は冬至後に百神を迎えて祀る祭名をいう。
【説文解字】四下に「冬至後、三戌(じゅつ)(の日)、
百神を臘祭す」とあり、
【独断、上】に「夏(か)には嘉平(かへい)と曰ひ、
殷には清祀(せいし)と曰ひ、
周には大蜡(たいさ)と曰ひ、漢には臘と曰ふ。」とみえ、
年を送る祭であった。
==以下引用===========
「旰 (かん)」の声符は干 (かん)。
【説文解字】七上に「晩 (く)るるなり」とし
「春秋傳に曰く、日 旰(く)れ、君勞す」と
【左伝、昭十二年】の文を引く。
今本は「勞」を「勤」に作る。
また干に盛火の意があり、
日のたけたるを旰という。
白川静 漢字暦の引用勉強は以上である。