白川静漢字暦 (2017年)


かんがえる

十一月の字は、「かんがえる」

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2017年11月は、「かんがえる」という意味を持つ、(考,案,思,核,察)の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・ 

更新日  2017年11月29日(水)

「考」のほかに、興味深い字がある‥以下に見ていきます。


金文

==以下引用===========

「考」の声符は丂(こう)。 

丂を考の意に用いることもある。

上部は「老」の上部の形と同じで、長髪の老人を横から見た形。
【礼記、曲礼 】に
「生には父と曰ひ、母と曰ひ、~
死には考と曰ひ、妣と曰ふ。」とあり、

亡父を考、亡母を妣といい、

父母を祀るときは、考妣という。 

 篆文 

==以下引用===========

「案」は【説文解字】六上に「几(き)(机)の属なり」とあり、
もと食盤用の机をいい、脚のあるものを案
ないものを槃(ばん)という。
のち机案をいい、案上で取り扱う事案をいい、
その事案を調査し、考案することをいう。
わが国では、草稿、草案を案という。

※槃の訓:たらい

 

篆文

==以下引用===========

「思」の正字は、囟(し)に従い、声符は囟。
囟は脳蓋の形。人の思惟する働きのあるところ。
深く思慮することをいう字である。

※囟の訓:ひよめき

 

篆文

==以下引用===========

「核」の声符は亥(がい)
果実の種のあるところ。
これを食事にも供したので、肴核(こうかく (ごちそう。
肴は魚、鳥などの肉、核は果物)
堅いものであるから堅核(けんかく)の意がある。」
その中心をなるものを核心という。
考核のように調べるの意に用いるのは仮借(かしゃく)である。 

 

篆文

==以下引用===========

「察」は宀 (べん)と祭を組み合わせた形。
宀は 廟屋 (びょうおく)の屋根の形。
廟中に祭って神意をうかがうを察という。

白川静 漢字暦の引用勉強は以上である。

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