2017年4月は、「しずか」の訓のある、静,間(閒),閑,沈,寂の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・
更新日 2017年4月28日(金)
「しずか」というとまずは「静か」と思います。寂しいとか閑だとかもわかりますが、あとの「間」は「ま」があいていることでしょうか・・「沈む」も考えてみるとそういうイメージありですが・・ 以下に見てみます。
==以下引用===========
「静」の旧字は靜に作り、靑(青)と爭(争)とを組み合わせた形。
靑は青丹。爭は力(耒耜 らいし の形。すき)を上下より持つ形で、争奪の爭とは同じでない。
耜(すき)を青い色の顔料をもって清め祓う儀礼をいう。
豊穣を祈り、虫害を避ける予祝の意味をもつので、
清め靖(やす)んずる意がある。
==以下引用===========
「間」のもとの字は閒につくりは 糸束の形
門と月とを組み合わせた形。
月は月光と解されているが、金文の字形によって考えると
廟門に肉を置いて祈る儀礼を示す字であるらしく、そこから離隔・安静の意が生ずるのであろう。
==以下引用===========
「閑」は門と木とを組み合わせた形。
[説文解字]十ニ上に「闌(らん しきり)なり」として、
門にしきりをすることをいう。
ゆえに、ふせぐ意となる。
また閒(間)と同じく、閑静の意に用いる。
==以下引用===========
「沈」の声符は 冘(いん)。
「沈」の甲骨文は水間に牛や羊を加えた形。
洪水などのとき、牛や羊を犠牲として、
川に沈めて祭るという意味である。
すべて「しずめる、しずむ」のいみとなり、
「うもれる、かくれる、ひそむ、
しずか、ふける」などの意味に用いる。
==以下引用===========
「寂」のもとの字は、「※宀と尗」(せき)に作り、声符は尗(しゅく)。
[説文解字]七下に「人の聲無きなり」とする。
尗は戚(まさかり)の刃部と、その光が下方に放射するさま。
叔はその戚を手(又 ゆう)に持つ形。
宀(べん)は祖先を祭る廟(みたまや)。
鉞頭(えつとう)を廟中において呪鎮とするものであろうが、
そのしずかにひかりをはなつさまをいう。
廟中に鉞頭のあるのは静寂の象である。