白川静漢字暦 (2017年)


まさる

2017年9月の漢字
九月の字は、「まさる」

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2017年9月は、「まさる」という意味を持つ、(多,勝,賢,優,長)の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・ 

更新日  2017年9月24日(日)

「まさる」というと「優勝」の「優」、「勝」ですが、漢字暦で大書されているのは、「多」なのに驚きました。肉がたくさんある形という‥以下に見ていきます。


甲骨文

==以下引用===========

「多」は夕と夕に従う。 
夕は肉の形。多は多肉の意。

宣 甲骨文

宣は俎(まないた)の上に肉を置く形であるが、
その肉の形は甲骨文・金文は多に従う。
もと牲薦(せいせん) の肉の多いことから、
のちすべて繁多・豊富の意となる。

 

==以下引用===========

「勝」のもとの字は、[肉月+券の刀を力に変えた字]に作り、声符は、●[肉月+券の刀を除いた字](よう)。*塍縢睠滕 ?拳巻?
●はもと,ふね偏に作り、盤(舟)の中にものを入れ、
両手で捧げて おくることを示す。

力は耒すきの形。
耒に盤中のものを添えて豊作を祈り、
良い結果を得ることを勝という。 


 

賢(臤)

金文

==以下引用===========

「賢」の声符は、臤(けん)
【説文解字】 六上に「多才なり」とみえる。
多才多芸は神に事(つか)える者の条件であった。
臤は手(又(ゆう)で眼睛(がんせい)を破る意。
そのような瞽者(こしゃ)(盲目の人)が神に事えるもの(臣)とされ、
その多才なるものは神瞽(しんこ)とよばれ、賢者とされた。


 

篆文

==以下引用===========

「優」の声符は憂。
憂(金文)
憂は喪に服して、
頭に喪章をつけた人が哀しんで佇む姿である。
喪に服して哀しむ人の姿を優といい、
またその所作をまねするものを優という。
死者の家人に代わって神に対して
憂え申す所作を演じたのであろう。
優の動作は閑雅優美であることから、
優雅・優長・優柔のように用いる。
俳鱧と二人相戯れて演技する意、
優は憂愁の所作をなすもので、合わせて俳優という。

 

篆文

==以下引用===========

「長」の上部は長髪の形、
下部は人の側身形で、
氏族の長老を意味する。
長髪は長老の人にのみ許されたもので、
部族を代表する者であった。
長髪・長老の意より、
長久・首長などの意となる。 

白川静 漢字暦の引用勉強は以上である。

 

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