2017年7月は、「みがく」の訓のある、(研,磨,琢,琱,厎)の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、またWEBサイトからも、随時追加します・・
更新日 2017年8月21日(月)
厎という字、底ではなくて、砥石というので驚く。 以下に見ていきます。
==以下引用===========
「琱」の声符は、周。
周は彫飾を施した盾の形。
【説文解字】一上 に「玉(ぎょく)を治(おさ)むるなり」とあり、
玉に彫琢を加えることをいう。
金文の〔琱生毀*〔ちょうせいき〕の琱は、
周の上に小さく玉を添えており、
彫飾を加えるものが玉であることを示している。
(*毀の土がヒ)
==以下引用===========
「研」の旧字は*(石+幵)に作り、声符は 幵(けい)。
幵は*(竹冠+幵)の初文で、平直の意がある。
研磨することから、
すべて精密にものを仕上げる意となり、
研鑽(けんさん)・研精のように用いる。
==以下引用===========
「厎」の声符は氐(てい)。
氐は氏(曲刀)や厥(けつ)(剞厥(きけつ)、彫刻刀)などを砥石にあてて
礪
(と)ぐ形 。
[説文解字]九下 に「柔石なり」とあり、砥石をいう。
厂(かん)は崖の形で、その石を得るところ。
厎はものを平らかにする意。
==以下引用===========
「琢」の声符は、*(涿-サンズイ) (たく)。*にう
ちたたく意がある。
【説文解字】一上 に「玉(ぎょく)を治(おさ)むるなり」とあり(*この部分は「琱」と同じ) 、
研磨することをいう。
玉には琢といい、石には磨という。
==以下引用===========
「磨」の声符は麻(縻-糸)(ま)。
[説文解字]九下 に「石+靡」を正形とし、靡(び)の声。
「石磑(いしうす)なり」とあり、石臼をいう。
【爾雅、釈器】に、「石、之を磨と謂ふ」とあり、
【広雅、釈器】に、「石+厲(みが)くなり」という。
手を以て撫するを摩、石でこすって磨くのを磨という。
白川静 漢字暦の引用勉強は以上である。
【新明解】 (第六版)では、「みがく」は「磨く」の項に、広義では努力して一層りっぱ(よいもの)にするのことをもさし、表記は「研」ともかく、とあり。
【現代漢語例解辞典】(第二版】には、異体字を除くと7字取り上げられている。
研,磨,琢,琱の他、
厲 (厂+万), 礱, 磋であった。
以下にこの辞書より追加する
厂(いし)+蠆(きつい毒のあるサソリ)
刃物をするどくする砥石の意。転じて、はげしい・きびしいの意に用いる
形声。瑳に同じ みがく、つとめはげむ
*漢検1級配当漢字 「切磋琢磨」
【角川 大字源】巻末同訓異義には、 みがくとして
研,磋(瑳),琢,磨,摩,礱,厲 の7字
研には墨をする意味もあると
常用はみがくは「磨く]だが、日用として「切磋琢磨」という四字熟語も思われる。
勾玉磨き
[玉磨かざれば光なし]
【出典】 『礼記』
【類義】 玉琢かざれば器を成さず/瑠璃の光も磨きから
【英語】 An uncut gem does not sparkle.(磨いていない宝石は輝かない)
http://kotowaza-allguide.com/ta/tamamigakazareba.html