白川静漢字暦 (2016年)


むくいる

六月の字は、「むくいる」

me
2016年6月の字は「むくいる」の訓のある字。(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、 内容は随時追加します

・・ 

更新日  2016年10月2日(日)

 

==以下引用===========

「報」は幸(■じょう)と( ふく)とを組み合わせた形。
幸は手枷の形。
は跪いている人(卩せつ)を又(ゆう手の形)で押える形で、服従の服のもとの字。
報は両手に枷をはめられて跪く人を後ろから押える形で、
犯した罪に対する報復刑的な処置であるから、 もと報復することを言う。
また恩恵に「むくいる、こたえる」の意味に用いる。

グリフウィキ(漢字字形自由共有サイト)
http://kakijun.jp/page/1229200.html
「吉報(キッポウ)」、「詳報(ショウホウ)」、「訃報(フホウ)」

漢検四字熟語辞典より

報本反始 (ほうほんはんし)
天地や祖先の恩に感謝し報いること
[礼記 郊特性]

因果応報 (いんがおうほう)

 人の行いの善悪に応じてその報いがあらわれること。もと仏教語。因縁(原因)と果報(結果)
陰徳陽報 (いんとくようほう)
人知れずよい事をする者には、必ずはっきりしたよい報いがあるということ
[淮南子 人間(じんかん)訓]

馬鹿果報 (ばかかほう)

 思いがけずに大きな幸運を得ること。愚かな者は他人から憎まれたりしないので、かえって幸せになれるということ。
子果報 (しゃくしほう)

 運にめぐまれること

朝報 (だんらんちょうほう)
切れ切れになって、続き具合のわからない朝廷の記録 [宋史 王安石伝]
抜来報往 (ばつらいほうおう)

 速やかに来て、速やかに行くこと[礼記 少儀]

積悪余(せきあくのよおう)

 悪事を重ねた報いが子孫にまで及ぶこと

 [易経 坤・文言伝]積悪之報 (せきあくのむくい)

 

 

==以下引用===========

「酬」の声符は州。
〔説文解字〕十四下 には字を(しゅう)に作り、声符は壽(寿)。
[詩経、小雅、楚茨(そじ)]に「献酬(けんしゅう)、交錯す」(ともに酒、くみかわす)とあって、わが国の宴会のように杯をやりとりするのだろう。
杯を返すことを酬といい、
「むくいる、こたえる、つぐなう」の意味に用いる。

 

==以下引用===========
「酢(さく)」の声符は乍(さく)
献酬する(酒杯をやり取りする)と木、客が主人に返杯することを酢といい、「むくいる」の意味に用いる。
[詩経、大雅、行葦]に、「或いはじ、或いは酢す](杯を受け返す)というのがもとの意味であった。
字はまた(さく むくいる、す)につくることがあり、
乍や昔には過ぎ去るの意味があり、、のち酒が長時間たってすっぱくなることを酢敗そはい)といい、その酢敗したものを酢といい、「酢」の意味に用いる。
   

「応酬(オウシュウ)」、「報酬(ホウシュウ)」
 

 

==以下引用===========
 

「胙」の声符は乍(そ)。〔説文解字〕四下にp 「祭りの福肉なり」とあり、祭の余肉を頒(わか)つことをいう。
[左伝、僖九年]に「王、宰孔(さいこう)をして齊侯(せいこう)に胙を賜はしむ」とあり、異姓の諸侯に与えられることは殊寵しゅちょう)とされた。
[周礼(しゅらい)、春官、大宗伯(だいそうはく)」に「賑膰しんばん 祭肉)のを以て、兄弟の國を親しましむ」とあり、もと同族共餐の儀礼に起源するものであった。

しゅちょう【殊寵】 特別の寵愛  by大辞林 第三版の解説
 

 

 復

 

==以下引用====

 「復]の声符は■(ふく)。■は容量をはかる量器を逆さまにした形。
道路の意味の (でき 十字路の形である行の左半分)を加えて、道路を歩いて「かえる、もとへかえる」の意味となる。
復讐・報復・反復のように、「むくいる、くりかえす」の意味の用いる。

漢検四字熟語辞典より

克己復礼(こっきふくれい) 
 己に克(か)ちて礼に復(かえ)る)
 私欲を抑制し、社会の規範や礼儀にかなった行動をすること [論語 顔淵]孔子が最も重んじた「仁」についてかたった言葉
死灰復然 (しかいふくねん)
一度衰えた勢力が再び盛り返すこと[史記 韓長孺伝]
同訓異字についての追加

http://kakijun.jp/main/kensakuyomi.html
==以下引用====

報むく(いる) 酧 むく(いる) 讎 むく(いる) 讐 むく(いる)
酬 むく(いる)[常用外]

上に戻る