白川静漢字暦 (2016年)


あらわす

三月の字は、「あらわす」

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2016年3月の字は「あらわす」の訓のある字 。(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、 内容は随時追加します

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更新日  2016年9月19日(月)

==以下引用===========
もとの字は に作り、、井(けい)と彡(さん)とを組み合わせた形。
井は木の枠の形で、木の枠を組んだ鋳型の外枠である。
彡は色や形の美しいことを示す。形とは完成された型伸びをいう。
〔説文解字〕九上に「象なり」とあり、形象の意とする。
内にあるものが、外に形としてあらわれることをいう。

==以下引用===========
 「表」は衣と毛を組み合わせた形。
衣に毛を加えて、(かわごろも 毛皮で作った衣)の毛を示す。
裘は毛のあるほうが表で、毛のない方がうらであるから、「おもて」の意味となり、おもての意味から、「あらわす、あらわれる」の意味となる。

昭(卲)

==以下引用===========

元の字はに作り、声符は召。
は (さい)を供えて、、神霊の降下することを祈り、それにこたえて、神霊(人の形)が降(くだ)る形。
卲は降下する神霊を迎えて拝む形で、霊威の明らかであることをいう。
「あきらか、かがやく、あらわす」の意味となる。


 

==以下引用===========
「暴」は日と獣の死骸の形を組み合わせた形。
獣の死骸が太陽にさらされている形で、「さらす」の意味となり、さらけだすことから「暴く」の意味となる。
強い日照りにさらされて、死骸がたちまち分解して骨があらわれることから、「たちまち、にわか、あrわれる」の意味に用いる。 

 
 

==以下引用====

「著」の声符は者。

者は外部からの侵入者からす集落を守るためのお土居(土の垣) で、
 お土居の中の各所にまじないのお札の用に曰(書)によって、侵入者を防ぐ呪力をお土居に付着させることができると考えられたからである。
それで、著は「つく、つける」の意味となる。
その呪力が顕著であり、著名(明らかなこと)であるから、「著しい、明らか」の意味となり、明らかにすることから「かきしるす、あらわす」の意味となる。

以上、平凡社の2016年3月の漢字暦には、形、表、昭、暴、著の5字が挙げられていたが、ここでまた 「角川大字源」巻末の同訓異義集を見ると、顕、現(見)、章、旌(せい)、著、暴、表、露の8字であった。白川静『字訓』で「あらはす」と読む項に挙げられたのは、顕・現の2字(常用漢字)であった。
よって、ここで、その2字の解字を追加します。

顕(顯)

==以下引用====
顕はもと顯につくり、※(けん)と頁(けつ)とに従う。 ※は顕の初文ともされる字であるが、上部の日は玉、下部なその玉につけた呪飾。顕はこれを配する形。これによって祖霊が招かれ、その姿を顕すのである。顕は幽と相対する語で、常には隠されているものが、その時姿を現すことをいう。

==以下引用====
〔説文解字〕に見えない字であるが、玉と見に従うて、顕と形義が近い。仏教語として、現世の意に用い、わが国では「うつつ」と訓む。

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