漢字暦

白川静漢字暦 (2022年)


載書(さいしょ)Ⅱ

三月の字は、「載書Ⅱ」

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「載書」の意味を持つ漢字の字解を学びます。曰、習、皆、簪、沓の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・ 

更新日  2022年4月4日(月)

最も重要な、サイ の関連の字の続きです・・



金文

サイの蓋を少し開き中を見る」形であり・・というのは良いが、こじ開ける時は 「上に手を加えて」という「こつかい」の字が難解。
「こつ」であるが、上部の 「勿」は「なかれ」と一般に訓じるが、音は知らない。(『字統』によれば フツ)

 

他方、「こつ」とよむ字で、もっともすぐに思い浮かぶ、恍惚の「」の字素、あるいは、忽然の「」の字素の形であるが、その下部の 心を曰に代えた字である。

 

上部の初形は勿でなく、「爪」であったという。(『字統』(p336)


金文

【説文解字】四上に「比と白に従う」とあり、部首は「白」
だが、金文などの字形はサイあるいは曰に従う。(字統p92)

祝祷して神霊を招く= (前頁参照)
それに応じて神霊が降(くだ)る=(詣)・・一人の霊が降る
神霊が並んで降る=皆

」は人が並んだ形:
漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 


 


簡書

【説文解字】四上に「しばしば飛ぶなり」とし、「白声」(談注本)するが、声が合わない。数々飛ぶ時は、気息が急となって白くなるという会意説。
”鳥の気息が白くなるという話は聞いたことがない。”

古い字形がなく確かめがたいところもあるが、この系統の字形構造の意味に一貫性があり、推測しうる、(字統p424)

羽は呪飾として重んぜられた。 あまり頻繁に羽で器を擦って刺激するとかえって神を玩ぶことになる→
漢字ペディア 同じ部首「羽」の漢字
羽 翁 習 翔 翠 翻 翌 翼

」の本来の意味は、”ひな鳥が飛び方を身につける”という意味だったという説が有力である。
「ならう」と訓読みする、「倣」は、単に”まねをする”だけなのに 、
「習」は”身に付けようとする”とするのが異なる点。
「慣」は現在では「ならう」と訓読みしないので、「ならわし」は「習わし」と書く方が筋が通る。しかし、「習」の”身につける”というニュアンスを避けるため、かな書きしたり「慣わし」とかくことが多い。
漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 



篆文

水でけがすというのが、よくわからない。水で浄めるというのが頭にあるので。
音は「トウ」で意味は「けがす、かさなる、むさぼる」とある。(字統p666)

【説文解字】五上に「語多くして沓沓たる」とし、会意とする。.

水が流れるようにいうので多弁の義とするのであろうが、そのような比喩で文字が作られることはない。(字統p666)

[比喩で字が作られることはない。]というのは良かった。ww

漢字辞典オンライン:部首 曰
コトバンクくつ【沓・靴・履・鞋】

https://mojinavi.com/d/u6c9
漢字pedia

靴?沓?履? 漢字の由来について



篆文

==以下引用===========

簪や櫛は呪的な力のあるものとして、使われることがあり、

これを祝詞を収めた器の上に置くことは、その呪能を害しうるとされた。

人をそしること=シンmojinavi.

身分をわきまえぬこと=僭

以上、平凡社の2022年3月の漢字暦より。

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