「占卜」という意味を持つ漢字の字解を学びます。
占、貞、卜、卦の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他)
更新日 2022年9月11日（日）
いつもより一字少なく4字。
その分、詩経からの引用等を追記。
甲骨文
＝＝以下引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
甲（亀甲）骨（獣骨）による卜（うらな）いの時の卜兆の形。
口は 
（サイ）で、祝詞を収める器の形。
占う時、同時に祝詞を用いたことが知られる。
wikipediaによれば、「占いは、大別すると命（めい）・卜（ぼく）・相（そう）の三種類に分かれ、占う者は目的に応じて占いを使い分け、組み合わせる。」、、
「命・卜・相」は、中国では一般的な言い方というが、日本では新しいようだが、見ると、なるほど、と。
命は、運命、宿命などを占うもの。誕生した生年月日・時間や、生まれた場所の要素も加えることによって、その人の生来の性質、傾向、人生の流れなどを占う。推命（すいめい）とも呼ばれる。
相は、
姿や形など目に見える事象や環境から、対象となるの人への現在の影響や今後の運勢などをみる占い
甲骨文
＝＝以下引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
貝は甲骨文・金文の字形によると、もと鼎（てい）の字であったことが知られる。貞はその簡略字。
鼎（かなえ）をもって卜問し、神意をうかがうことをいう。
わが国には盟神探湯（くかたち）のような俗があったが、中国では、獸牲を用いることが多く、鼎中の犠牲の状態によって吉凶を判じたものであろう。
盟神探湯（くかたち）；熱湯中に手を入れさせて、それによって正邪を定める法
嘘発見器の原理より引用。
ウソをついていなければ火傷しないということはもちろんありませんが、ウソをついていない人は、神の加護を信じて手を熱湯にためらわず突っ込むため、入れようとしない人はウソをついていると必然的にわかります。
甲骨文
＝＝以下引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ひび割れの形。
横の線は複雑な形がするので、その線の走り方によって卜う。
以下『字通』より
[字形] 象形
獣骨や亀版をやいて、そのひびわれによって吉凶を卜うことをいう。卜はそのひびわれの形。
【説文解字】三下 龜をいて剝ぐなり。龜を灸(や)くの形に象る。
一
に曰く、龜兆の從なるに象るなり」という。
卜するとき、まず縦長に鑽(さん)とよばれる穴を掘り、横に円形の穴を作って、その部分を灼（や）くと、鑽の部分には縦、いた部分には横に走る線が、その表面にあらわれる。その横の線が卜兆、縦横合わせて卜の形となる。
卜の音は、卜兆を生ずるとき、破裂する音をとるものであろう。
[訓義]
1. うらなう。
2. うらかた、しめす。
3. えらぶ、卜してえらぶ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕卜 ウラナフ・シム 〔立〕卜 シメス・シム・ウラナフ
[部首]
〔説文〕に卦・(けい)・貞・(かい)・占・(ちよう)など七字を属し、〔玉〕は別に兆部を立ててをその部に移している。
貞はもと鼎に従う字で、わが国の探湯(くかたち)のように、鼎によって卜するものであった。卜辞では卜うことを「貞(と)ふ」といい、古く探湯の法があったことが知られる。合わせて貞卜という。
[声系]
【説文解字】に卜声として
赴・䟔・攴・朴・仆の五字を収める。攴・朴はものをうつ音、他は走り頓(つまず)く音である。
「卜筮」
亀卜と易筮。〔詩、衛風、氓〕
爾(なんぢ)の卜、爾の筮 體（卜兆のすがた）に咎言(きうげん)無し 爾の車を以て來れ 我が賄(わい)（家財）を以てらん
爾卜爾筮 爾卜し 爾筮せよ
體無咎言 體に咎言無ければ
以爾車來 爾の車を以て來れ
以我賄遷 我が賄を以て遷らん
どうぞわたしたちの運命を占ってください、もし災いの徴がなかったなら、車でわたしを迎えにきてください、わたしは嫁入り道具を持ってあなたについていきます。
引用：
漢詩と文化壺齋散人氏のサイト：http://blog.hix05.com
詩経国風：衛風篇から「氓」を読む。
卜筮（ぼくぜい）
goo辞書
《「卜」は亀の甲、「筮」は筮竹 (ぜいちく) を用いてうらなうこと》
平凡社百科事典マイペディア
古代中国で行われた占いの方法で，亀卜(きぼく)と筮竹(ぜいちく)によるものの併称。殷代には亀卜が，周代以降は数理と易占を兼ねた筮竹による占いが盛んに行われた。
篆文
＝＝以下引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
圭は土版の形。
卜筮（ぼくぜい）のとき、その六爻（りくこう）を記して吉凶を定めた。
以上、平凡社の2022年9月の漢字暦を読む。