「主婦」という意味を持つ漢字の字解を学びます。婦、捷、参、敏、繁の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他)
更新日 2022年6月18日(土)30日(木)
金文
==以下引用===========
帚(ふ)は掃除の道具ではなく、廟中を清めるためのもの。
玉ははき。
これを使う女性は家の権力者という話。
最近では、帚→玉ははき=祖先の霊に仕えるための重要な道具であったと考える。
婦は”成人女性”を表わす漢字。
「夫婦」「主婦」のように、男性と対比して、”結婚相手としての女性”を意味したり、「妊婦」のように”子どもを生む存在としての女性”を指したりする。
また「農婦」「看護婦」「婦人警官」のように”仕事をする女性”を意味することもある。
「夫」とは対照的に、女性の役割にポイントがある漢字。
出典『漢字ときあかし辞典』 p527(研究社2012)
*「夫」は・・
部首「大」は人が両手両足を広げて立っている形。
それに横棒一本を付け加えて、「頭にかんざしを付けた人」を表わす。この”かんざし”は冠を留める道具で成人男性の正装。そこから”成人男性”をさす。
(なお)工夫(くふう)は中国でも古くからある言葉だが、(ここの)「夫」の意味についてはよくわからない。
金文
==以下引用==========
象形
夫人が足早に祭事に奔走する姿
この字は、人名用漢字で、常用字でないので、驚きました。漢字オンライン
金文
==以下引用===========
女子が頭髪に三本の簪を挿し、その三本の上に、それぞれ玉を加えいてじょぁりさま。
同じ高さの簪の並列するもの=斉
参差(しんし)として高低のあるもの=參
以前は「參」と書くのが正式。
「ム」が三つ付いているように、古くは”数の3”を表わしていた。
現在では大きく分けて三つの意味がある。
・「参加」「参画」「参与」のように、”何かを実行するグループの一員となる”という意味。
「参考」「三館」「参拝」のように、”敬意を払ってある・ところに出向く”という意味。
→(重要な場所に外部から加わるというイメージ)
「降参」「参りました」=”負けを認める”
「彼女の魅力に参ってしまう」あの山道に参った」=”困り果てる”
→日本語独特の用法
出典『漢字ときあかし辞典』p223 (研究社2012)
甲骨文
==以下引用===========
毎=家廟の祭祀に仕えるため、髪に飾りをつけて正装した女の姿。
攴(ぼくにょう とまた)=甲骨・金文では又(ゆう 手の形)につくり、髪に手を添えて整えている形が敏である。
出典『漢字ときあかし辞典』 (研究社2012)
篆文
==以下引用===========
毎(髪に飾りを付けた女)の髪に飾り糸を垂れている形。
女の髪飾りの多いことをいう、
それよりすべて繁多の意となる。
以上、平凡社の2022年6月の漢字暦より。