「載書」の意味を持つ漢字の字解を学びます。告、名、召、吉、各の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 今年も、まず、甲骨文字・金文の字形を見ておき、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・
更新日 2022年2月13日(日)
甲骨文
==以下引用===========
上部は牛ではなく、木の小枝の形。
※kanjipedia.jp 以下は疑問??
会意。口と、牛(うし)とから成り、牛の角に付ける横木の意を表す。牛が横木を人に当てることから、「つげる」、知らせるの意に用いる。
『漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 「告」
告知・告白・警告:”大事な内容をことばで知らせる”
告訴・告発・被告・原告:特に”裁判に訴える”
相手から求められて知らせるのは「報告」位で、自発的あるいは一方的に知らせることが多い。にもかかわらずその反応を期待しているという、自分勝手な
訓読みは「つげる」だけだが、「関係者に告ぐ」のように古語の「つぐ」の形で用いられることが多い。(p200)
金文
==以下引用==========
生子が一定の年齢に達した時、祭肉を供え、祝詞(
)を奏して、家廟に出生を告げる儀式をあげる。
そのとき名を付けた。
会意。口と、夕(ゆうぐれ)とから成り、夕方の暗やみで、人に自分の名をなのることにより、「な」の意を表す。
『漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 「名」
あるものをどう呼ぶか”なまえ”
「名状(めいじょう)しがたい」:”その状態を何と呼んでいいかわからない”
転じて「実」と対比され”うわべや形式”をも指す。
甲骨文
==以下引用===========
祝詞を奏して神霊を招き、上より深冷の降下する形。
形声。口と、音符刀(タウ)→(テウ)とから成る。声を出して呼び寄せる意を表す。
『漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 「召」
「つべこべ言わず、こっちへ来い!」
本来は”地位の高い者が地位の低い者を呼び寄せる”
「殿のお召しだ」そこから転じて「食べる」「着る」の敬語、「召し上がる」「お召し物」に。
金文
==以下引用===========
小さな鉞の頭部を下にしておく形。
会意。口(神のお告げ)と、士(若い男子)とから成り、男子が生まれるお告げ、ひいて、めでたい、「よい」意を表す。
『漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 「吉」
めでたいことはよいこと・・・「よし」は「よい」の古語。
甲骨文
==以下引用===========
夂(ち)は上から降りてくる足。
神梯を神が降りてくる降は、神梯
の前に夅 (左右の足が降(くだ)る形)をそえた字である。
会意形声。阜と、(カウ)(下に向かって歩く)とから成り、高い所からおりてくる意を表す。ひいて「おろす」、したがえる意に用いる。
『漢字ときあかし辞典』(円満字二郎 研究社 2012) 「各」
口の表わすものには諸説がある。”一つ一つ””それぞれ”という意味を表わす。
以上、平凡社の2022年2月の漢字暦より。