2015年7月の字は「したがう」の訓のある字を5つ学びます。(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) ・・
更新日2015年07月25日(土)
==以下用===========
「率」は糸束をしぼる形。
糸束の上下に小さな横木を通し、
これをねじって水をしぼる形で、糸束の左右に水滴が滴る形をそえる。
強く絞ることから 率尽(ことごとく)の意となり、
率従(したがう)のいとなり、率領(ひきいる)の意となる。
「現代漢語事典(第2版)」(林大)
わりあい・・・確立、倍率
ひきいる…率先、引率、統率
したがう。ならうう・・・卒性、率由
だしぬけに・・・卒爾、軽率
ありのまま・・・率直
==以下引用===========
「帥(すい)」は、𠂤(し)と巾(きん)からなる。
𠂤は師の従うところの賑肉(しんにく:軍征の時に奉ずる肉)の象とは異なり、啓・肇(ちょう)等の従う神戸棚の形に近く、
帥とはその神戸棚に巾を加えてこれを刷拭(さっしょく)する意であろう。
神棚を拭くことによって、神意を奉ずる意となり、
人に服従する意となる。
「現代漢語事典(第2版)」(林大)
会意。巾(ぬの)+𠂤(集団)
軍隊を旗の下にひきいる意
==以下引用===========
「委」は禾(か)と女からなる。
禾は禾(いね)の
形をした被り物で
稲魂(い
なだま:稲に宿る神霊)の象徴であろう。
禾を頭に被って舞う女の姿である。音の舞う姿を示す字は年で、古くは禾の下に人を書いた。
男は立って舞うが、女は低い姿勢でしなやかに舞うので、委には「ひくい、したがう」などの意味がある。)
「現代漢語事典(第2版)」(林大)
まかせる・ゆだねる・・・委嘱、委任
さしだす・つむ…委積
すておく、なりゆきにまかせる・・・委棄(遺棄)、委順
くわしい・こまかい・・・委曲、委細
しおれる・・・委頓(?なじみがない熟語)
==以下引用===========
「服」の声符は 𠬝(ふく)。
𠬝はひざまずいている人(卩(せつ))を後ろから
手(又(ゆう))で押さえつけている形で、
屈服させることを示す。
舟(月)は盤のもとの字で、
盤は儀礼のときに使う器であるから、
盤の前で何らかの儀礼をおこなうことを服という。
おそらく降服
の儀礼に従うことをいうのであろう。
==以下引用===========
「随」の声符は隋(ずい)。
随は(ふ 阝)と左の月(肉の省略形)からなる。
は神が渡渉する神梯の象。
左は呪具の工を手に持つ形。
隋は神の梯子前に肉を供え、呪具を持ち、祈って神の所在を尋ねる形。
随時随所、神の在るところに従って祭るので
随従の意となる。
わが国では「随神」を「神(かん)ながら」とよむ。
以上であるが、普通に使う「従」の字がない
。また「率」「帥」「委」は「現代漢語事典」ではこの読みで取り上げられていない・・・
殉死の「殉」、
順番の「順」、
、奴隷の「隷」が取り上げられている
「現代漢語事典(第2版)」(林大)
「従」は「從」のらくたい。形声。
ぎょうにんべんに止(=辵(ちゃく)ゆく)+从(したがう)
人が人につき従う意。甲骨文は从のみの形で從の原字。