漢字暦

白川静漢字暦 (2015年)


まもる

三月の字は、「まもる」

2015年3月の漢字

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2015年3月の字は「まもる」の訓のある字を5つ学びます。(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) ・・ 

ちなみに〔字訓〕では、「まもる」の訓のある字として、 「守」の他に 護衛や守護の「護」そして「衛」があげられている。〔字統〕では、防衛の「防」、扶養の「扶」なども挙げられている・・

更新日2015年04月24日(金)


==以下引用===========

  「吾」は五と口を組み合わせた形。
五は木を交叉させ上下に板をつけて作った器物の二重の蓋の形。
口はサイ(祝詞を入れる器の形)
祝詞には神への願い事を実現させる働きがあると考えられていたので、サイ の上に二重の蓋である五を置き、祈りの効果を守ることを吾といい、「まもる」の意味となる。


 

==以下引用===========

 戍(じゅ)は戈(か)と人とに従う。
人が戈を負うて守る意。
〔説文解字〕十二下に「邊を守るなり。人の戈を持つに從ふ」とあり、戍守(じゅしゅ)(辺境を守る)のことをいう。
〔詩経、曹風、候人〕戈 と祋(たい)とを何(にな)ふ」という句がある。  

※ 祋(たい)は羽根飾りのあるほこ(字通) 

擁(手+雝)

 

==以下引用===========

 「擁」の声符は雍(よう)。
〔説文解字〕十二上に 字を (手+雝)につくり、「抱くなり」とする。
雍は人の胸に(とり)を抱く形で、鷹狩りをする鷹匠(たかじょう)が鷹を抱く形である。
それに手を加えた形声の字が擁で、「だく、いだく」の意味となり、抱きかかえて「まもる」の意味ともなる。 

ここで〔字統〕をみると、上とまったく違い、雝 (やわら さわ)は璧雝(へきよう)、水を巡らした神殿の象。そのような姿勢で人を抱くことをいう。・・とある。
それより剣を擁す・箒を擁すのようにいうのだが
そして、 訓は、いだく・まもるだけではなく、とる・したがえる・・とでている。

「抱擁」でしか使わないカップル漢字とか言う?


 

包(抱)

==以下引用===========

 「抱」のもとの字は手+勹+已 (苞から草冠を取った部分)
包は人の腹の中に胎児のいる形で、つつむ、くるむ、いれるの意味がある。
手でつつむことを抱という。
〔老子,第十九章に〕「樸(はく)を抱く」とあり、人間の本来の素朴な心を守ることをいう。  

 

 

 

==以下引用===========

「守」は宀(べん)と寸とに従う。宀は廟屋の屋根の形。
金文には、寸の部分が干(かん盾)を手(又 ゆう)にもつかたちがあり、重要な建物をまもることをいう
のちすべての物やことについて「まもる」の意味に用いる。  

 

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