中国の古代文字

金文(文字のおさらい 6)

青銅器の銘文

殷代の文字には、
筆写された(筆墨で書かれた)文字
甲骨に刻まれた文 字
青銅に鋳込まれた文字の三種類があった


Bronze script characters
青銅が鋳込まれてできたときは金色
金文:鋳込まれた文字
金色の器の外側の一部や内側に、鋳込まれた図象文字(絵文字) や銘文(文章)・・荘厳な雰囲気
殷代金文の特徴「肥筆」(ひふで・ひひつ)・・筆画は始めと終わりとが
鋭く尖り、中ほどは太く肥えた風の文字


甲骨文:線的な契刻の文字
白地の甲骨版に刻字され、その上に朱色あるいは墨が塗られる線的な契刻の文字が典型であり、

武丁の時代(前13 世紀~前12 世紀) に、王朝の公的な占いの組織を中心に全盛期を迎えた。

筆写文字

甲骨文が解読されるなかで、「筆を手にもつ形」の文字「イツ(聿)」が見つかり、⇒筆 が使用されたことが知られ、

「竹簡や木簡を綴った形」の文字「サク(册)」もある
殷代には既に、文字の筆写が行われた

金文の意味

金属に鋳込まれたり、鏨(たがね)ぼりされた文字 鉄製の鏨が用いられるようになるのが、春秋時代とされ
西周時代はすべて鋳込まれた文字ということになる。銘文ともよばれる。


銘文のある青銅器の件数

概数で12000 件にのぼる。 金文の文字数は、概数では1400 文字~1900 文字前後となる。

銘文の内容、

銘文の内容は青銅器製作の動機と深く関連している。青銅器は、主として祭器として 作られ、周王と臣下との封建的な関係が銘文に刻まれることが多い。

金文の読解については、前漢の時代(前202~後8)からみえる

青銅器の鋳造技法

西周時代・・・「陶模法(とうもほう)」 陶模法 (込型 鋳造 法) すなわ ち、 外分割法
http://hdl.handle.net/10110/387 春秋(前770~前403)戦国(前403~前221)時代: 「蝋模法(ろうもほう)」蝋細工の技術

殷周の青銅器制作方法は「陶模法」と呼ばれる方法でつくられ、陶器を作る技術が基 礎となっている。

西周の典型的な金文は、殷代金文のような、いわゆる肥筆は用いられず、筆画は一定 の幅の線となり、1文字が方格(1マス)に収められるようになり、文字は均整のとれ た優美なものとなる。同時に、形声文字の偏旁の位置が定まる傾向が強くなる。 この西周の金文を「大篆」とする

読解のパイオニア

金文読解のパイオニアは、張敞ちょうしょう(?~前47)であり、青銅器の銘文は、すでに前漢 (前202~後8)から解読されていた。

http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H25/kyouyou/B/kiso/s_1110101.html

周(前11 世紀~前3世紀)の金文

彝器(いき)


故宮博物院〈12〉青銅器 』日本放送出版協会 (1998/06)の
監修のことばより引用・・
樋口隆康(1919-Wikipedia)p6

彝器(いき)=礼の制度に基づく儀式や饗宴で用いられた容器や楽器


さらに『故宮博物館 青銅器(NHKプロジェクト)』p93 より引用

宮城谷昌光さんの「歴史をたたえる器」というエッセイ部分で「日本で青銅器を見たいと思えば、東京の国立博物館、神戸の白鶴美術館、京都の泉谷博古館(せんおくはくこかん)に行くとよい」とある。
帝乙は「祀るのは祖先神だけでよい」という宗教改革を行った王とし、祖先の霊を恐れ、また楽しませることを心がけ、青銅製の酒器は神が宿ると信じ、酒を飲んで忘我の状態となることで神と一体になると感じたのであろう、とある。 「酒器の文様の多くは饕餮( とうてつ)文であるが、なぜ商の王侯は四凶の中で饕餮を選んで文様化したのであろうか?」

饕餮文

亜醜方罍


photo by ゆんさんhttp://www.yunphoto.net/
こちらはNHKプロジェクトより引用


こちらは 「世界の博物館21 故宮博物院」の「青銅器の世界 鬼神の世界・商」より引用・・講談社1978年(昭和53年)の刊で、台湾の方を偽故宮博物院と呼んでいる・・監修者は同じく樋口隆康編
週刊版「一度は行きたい 世界の博物館 」(朝日新聞出版; 2011年7月~2012年7月全50冊)には中国のは「秦始皇兵馬俑博物館」 のみである

~~再掲~~


亞字形図象


亞(墓室か祭壇を上から見た形※)の中に醜(鬼が酒つぼを手にしている図という)
※白川静は「亞」の字は、正方形の墓室の四隅をくり取った形であるとし、四隅をくり取るのはそこに悪霊が潜む恐れがあるからであろうという。また、「霊に対する儀式を取り行う執行者を亞と行った。」
亞字形図象はその職に就いた人が、亞の中に氏族名を記したものを紋章のように使用していた。「族長に次ぐ第二番目の人とされた。」(白川静「常用解字」p003)

父己角(ふきかく)

・後期(高さ20.5、口径16.5センチ) 北京出土


角(青銅器の形)


p74 

宰■(木扁に虎)角(さいこかく)


殷・晩期 泉屋博古館蔵
泉屋博古館

六祀・(ろくしふく)

ふたの裏側の文字
西周・前期 高さ23.7、口径7.5×9.2、幅15.7センチ 北京
「酒を入れておく卣(ゆう)は、横断面が棗(なつめ)形のものが典型的。
本器の蓋内底と器内底には 製作の由来を示す同一の四行二十七字の銘文がある」



饕餮文タイゲン
西周 前期 高さ80.9、口径44.9センチ



藤枝晃『文字の文化史』(岩波書店、1971 年)
白川静『金文の世界』(平凡社・東洋文庫、1971 年)

クレオパトラ


サーチボックスあり