「茎(莖)、柱、楹、標、幹」の5字の字解です。
(引用は平凡社の漢字暦他) ・・
今年度からは、一般に、より明快な『常用字解』を併用します。
更新日 2020年 6月22日(月)
金文
『常用字解』(白川静 平凡社 初版2003)のp148)
形声。もとの字は莖に作り、音符は巠。
巠は織機に経糸をかけ渡し、下端に横木をつけて糸をまっすぐ張っている形。草かんむりを加えて、草の直立している部分の「くき」を茎という。
巠には直線的なものの意味があるから、人体では頸(くび)、脛(すね)といい、直線的なものは強いので、勁(つよい)という。
『常用字解』p443
形声。音符は主(しゅ)。主に注(ちゅう)(そそぐ)、駐(ちゅう)(とどまる)の音がある。
主は燭台の形で、鐙(油皿)の中で燃えている炎を加えている形である。
蜀代は直立した形の者であり、気の直立するものを柱といい、「はしら」の意味となり。ものの中心となるものの意味にも用いる。
【説文解字】 六上に「楹(はしら)なり」とあり。楹は中央に膨らみのある円柱で、宮廟などの建築に用いた。柱は円柱だけでなく、角柱にも用いる。
篆文
この字は『常用字解』にはない。(以下は字通)
「楹」の声符は、盈(えい)。
盈は盤中に人が沐浴する形で、盈満の意がある。【説文解字】 六上に「柱(はしら)なり」とあり
、柱は直柱、楹は円柱。
漢字音符字典p9
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篆文
『常用字解』p542
形声。音符は票(ひょう)。票は死体を両手に持って焼く形で、その火の勢いによって屍が浮き上がることをいう。
【説文解字】 六上に「木の杪末(べうまつ)(こずえ)なり」という。木の梢(こずえ)などを目印として標示(目じるしとして示すこと)したり、標柱(目じるしの柱)をたてたりするので、「しるし、しめす、はしら、たてる」の意味に用いる。
金文
『常用字解』p082
篆文の方の字形、正字の榦の音符は倝(かん)。倝はかざり物のある旗竿の形で、吹き流しがつけられている。
■えん(方へんの方+人)は倝と同じく旗竿に吹き流しをつけた形で、はたを意味する旂 (き)・旆(はい)・旌(せい)・旗などはみな■の形に書かれ、それに音符をそえた形声の字である。
『漢字音符字典』山本康喬著2007アド・ポポロ刊
カンp31 ホウp208
※エンは見当たらなかった。
常用字解p579
ほんとは怖い漢字・・シリーズ化?
「方」は横にわたした木に死者をつるした形という・・
「票」も、死者の頭を手に持つ・・
(左)漢字音符字典p195 (右)常用字解p541