白川静漢字暦 (2019年)


ただす

四月の字は、「ただす」

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諫、矞、勅(欶)、質、格の字解です。 (引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) 、他に「学研新漢和大辞典」(藤堂明保・加納喜光編)や 「角川大字源」などの辞典、また日本漢字能力検定協会の漢字ペディアなどからも、随時追加します・・ 

更新日  2019年4月12日(金)


金文

==以下引用===========
「諫」の声符は柬。
【説文解字】 四上に「証(ただ)すなり」とあり、
前条に「証は諫むるなり」とあって互訓。
【詩、大雅、民労】「王、女(なんじ)を玉にせんと欲す
是(ここ)を用(もつ)て大いに諫(いさ)む」 とあり、
その字形は門中に東を加えた形に従う。
柬の初形は東で嚢(ふくろ)の形。門は廟門。
廟門に贖物を収めた嚢を供えて祈る意で
もと自らの罪を謝することであったらしい。
のち人の誤りを諫正する意となった。

 

 

勅(欶)

 篆文


==以下引用==========   
勅は「束(そく)+ 力 (ちから)」。束は禾や木の類を束ねる意。
力は耒(すき)の象形。もと禾に束薪をそえて
清めるための儀礼を意味する字である。
文献には欶(ちょく)の俗字として用いる。
欶は束薪などを攴(う)ちそろえて整える字で、
勅とは意匠の異なる。
勅と欶とはもと別の字である。
いま 勅は欶の常用漢字として用いる。



金文

==以下引用===========
「質」は斦 (ぎん)+貝。
二斤(きん)(手おの)を以て鼎側に銘刻を加える意で、
重要な契約や銘誓の辞などを記した。
これを約剤・質剤という。
質は訓義の多い字であるが、
質剤(契約書)の義が本義、
他はその引伸義である。

 


篆文

==以下引用===========
矞(いつ)  は矛+冏(けい)。冏は台座。
矛を台座に立てて武夷を示し、
巡礼 撫査察することを「矞正(いつせい)」という。
商も辛(はり)を冏上に立てて刑罰権を示し、
同構の字である。


金文

==以下引用===========
「格」の声符は各。
【説文解字】 六上に「木長ずる皃なり」とあり、
枝が伸びてからむことをいう。
各に「いたる」意があり、
神の降格する意。
神意によってただす、
それより格式・規格の意となる。 

以上、平凡社の2019年4月の漢字暦より。

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