立、臨、窅
、鬫、覦
の字解。(引用は平凡社の漢字暦、また、白川静著作他) ・・
更新日 2019年4月5日(金)
金文
==以下引用===========
「立」は大+一。大は立つ人の正面形。
一はその立つところの位置を示す。
立は一定の位置に立つ人の形で、それで金文には、
立つという動詞と、位という名詞に用いる。
位に涖(のぞ)むということから、
立法、立制等、すべてのものの端緒をなし、
創建し、秩序を定め、
基調を確立するなどの意に用いる。
金文
==以下引用==========
「臨」のは臥+品。
臥は人が俯(ふ)して、
下方を遠く臨む形。
品は金文の字形によると、
祝祷を収めた器のを列する形。
祝祷に対して上天の霊の監視することを示す字とみられる。
臨は下界に臨むことをいう。
下界より高く遠く望むことを望という。
篆文
==以下引用===========
「窅」(よう)は穴+目。
【説文解字】 四上に「深目なり、
穴中に目があるはずはなく、
頭衣の下に目のあらわれる形であろう。
冒と相似た意匠の字である。
定かに面をあらわさないので、
窅然
(深淵のさま)の意となる。
篆文
==以下引用===========
「鬫」の声符は、敢。
【説文解字】 十二上 に「望むなり」〔玉扁〕に、
「視るなり、望むなり、臨むなり」
の三訓をあげる。
鬫の本義は、敢が神事における灌頂(鬯)の
礼を厳修する意を承け、
廟門において神意をうかがう意とみられる。
篆文
==以下引用===========
「覦」の声符は兪(ゆ)。
兪・窬・踰(ゆ)の声があり、
空隙より中をのぞき、ものを欲する意がある。
【説文解字】 八下に「欲するなり」とあり、
僥倖を求め、分限をこえることを覬覦(きゆ)という。
以上、平凡社の2019年3月の漢字暦より。