ゴッホの糸杉 |
糸杉と星の見える道
Road with Cypress and Star Vincent van Gogh 1890年5月, Franceサン=レミでの最後の作品, Oil on canvas 90.6 x 72 cm Kröller-Müller Museum所蔵 |
ゴーギャン宛下書き@オーヴェール 「一本の糸杉とひとつの星を描いた絵」 〔一本?〕 夜空に輝きのない月 それも 地球が落とす暗い影の中からかろうじて現れる細い三日月 誇張された輝きをもつ星がひとつ ばら色と緑色の甘美なきらめきを ウルトラマリンの夜空に放ち、 その空を雲が流れてゆく。 〔雲?〕 地上には、 青の高い黄色の葮竹が道端に生えた街道。 その向こうには低い青いアルビーユ山脈。 窓にオレンジ色の光がともった古い宿屋。 そして とても高く直立する黒々とした一本の糸杉。 街道には白い馬にひかれた黄色の馬車と、 夜遅くで出歩くふたりの男。 実にロマンティックだといっても良いが、プロヴァンス的でもあると思う。 (書簡643)
〔葮(むくげ?)〕
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テオ宛
描いているころの手紙@サン=レミ ひまわりの絵のようなものを糸杉で描いてみたい。 〔ひまわりの絵のような?〕 線もプロポーションも、エジプトのオベリスクのように美しい。 しかも緑がことのほか見事だ。 それは 陽がふりそそぐ中の黒いしぶきだが 最も興味深い黒の調子のひとつで ぼくが思い描くとおりに捕らえるのがもっとも難しいものだ。 その際、糸杉は青い背景の前で、 いや、むしろ青の中で見なくてはいけない。 (書簡596) 糸杉のある風景! ああそれは容易なことじゃない。 美しいものをつくるには僕らの中にはないもの、 天からの一条の光が必要なのだ (書簡625) |
「近代絵画」のゴッホの章
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西洋における糸杉の象徴的な意味ついて |
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