同音の漢字の書き換え

me
当用漢字表で書き換えを指定された熟語などについてであるが、改定常用漢字表 における 表内字(表外音訓も含む)となったものについて、wikipedia などを参照して、おさらいをしておきます。


当用漢字表の改定 (1956年)

「当用漢字表にない漢字を含んで構成されている漢語について、同音の別の漢字に書き換えるための指針」

ウィキソース

主な書き換えの例

wikipedia 閲覧 20160923による

「訣」:(許容)「訣別」→「決別」 (不可)「秘訣」→「秘決」
「澱」:(許容)「沈澱」→「沈殿」 (不可)「澱粉」→「殿粉」
「撥」:(許容)「反撥」→「反発」 (不可)「撥音便」→「発音便」
「顛」:(許容)「顛倒」「動顛」→「転倒」「動転」など (不可)「顛末」→「転末」
「綜」:(許容)「綜合」→「総合」 (不可)「錯綜」→「錯総」

「下剋上」「古稀」「玉石混淆」のような故事成語、
「車輛」「漁撈」「鈑金」のような専門用語、
「臆測」「奇蹟」「頽廃」「沈澱」「叛乱」のように小説、文学などで今も広く用いられるもの、
「燻製」のように書き換えがあまり行われないものなどがあり、書き換えの定着には差がある。

 

「同音の漢字による書きかえ」による書き換えの中には、本来は誤りと考えられていたものも少なくない。

wikipedia (閲覧20160923)より
主な書き換えの例(以下引用)

 

以下は1956年に国語審議会が報告した書き換えの一部である。

 

暗誦→暗唱
意嚮→意向
慰藉料→慰謝料
衣裳→衣装
陰翳→陰影
穎才→英才
叡智→英知
掩護→援護
恩誼→恩義
廻転→回転 ほか
火焰(焔)→火炎 ほか
挌 闘→格闘
活潑(溌)→活発
間 歇→間欠
稀少→希少 ほか
奇蹟→奇跡 ほか
兇器→凶器 ほか
漁撈→漁労
区劃→区画 ほか
掘鑿→掘削
訓誡→訓戒 ほか
燻製→薫製
蹶起→決起
訣別→決別
絃歌→弦歌 ほか
儼然→厳然
嶮岨→険阻
交叉→交差
扣除→控除
礦石→鉱石 ほか
香奠→香典
亢奮→興奮
昂奮→興奮
弘報→広報
曠野→広野
媾和→講和
涸渇→枯渇
骨骼→骨格
雇傭→雇用
根柢→根底
醋酸→酢酸
坐視→座視 ほか
雑沓→雑踏
讃辞→賛辞 ほか
撒水→散水
刺戟→刺激
屍体→死体
車輛→車両 ほか
蒐集→収集
終熄→終息
聚落→集落
障碍→障害 ほか
銷却→消却 ほか
陞叙→昇叙 ほか
焦躁→焦燥
牆壁→障壁
蒸溜→蒸留
書翰→書簡
抒情→叙情
試煉→試練
浸蝕→浸食 ほか
伸暢→伸長
滲透→浸透
訊問→尋問
衰頽→衰退 ほか
尖鋭→先鋭 ほか
洗滌→洗浄
煽情→扇情
擅断→専断
戦歿→戦没 ほか
象嵌→象眼
綜合→総合
相剋→相克 ほか
剿滅→掃滅
簇生→族生
沮止→阻止 ほか
疏通→疎通 ほか
褪色→退色
歎願→嘆願 ほか
煖房→暖房
智慧→知恵
註釈→注釈 ほか
沈澱→沈殿
牴触(觝触)→抵触
鄭重→丁重
叮嚀→丁寧
碇泊→停泊
手帖→手帳
顚(顛)倒→転倒 ほか
蹈襲→踏襲 ほか
杜絶→途絶
悖徳→背徳 ほか
曝露→暴露
破摧→破砕
醱(醗)酵→発酵
抜萃→抜粋
叛乱→反乱 ほか
蜚語→飛語
符牒→符丁
篇→編
編輯→編集 ほか
抛棄→放棄
防禦→防御
繃帯→包帯
厖大→膨大
庖丁→包丁
輔佐→補佐 ほか
摸索→模索 ほか
野鄙→野卑
熔接→溶接 ほか
慾→欲
理窟→理屈
悧巧→利口
掠奪→略奪 ほか
諒解→了解 ほか
輪廓→輪郭 ほか
連繫(繋)→連係
聯合→連合 ほか
彎曲→湾曲 ほか

改定常用漢字表 における
表内字(表外音訓も含む)

1956年に国語審議会が報告した書き換えの一部で、2010年6月に答申された改定常用漢字表における表内字(表外音訓も含む)となったもの。

 

夜→暗夜 ほか

→肝心

伎倆(技倆)→技量

→決壊 ほか

→広範

銓衡→選考

→破棄 ほか

me上記の7熟語についてだが、私個人といしては、今後も書き換え字の方を使ってしまいそうである。 「暗夜行路」もともかく闇夜は「やみよ」っぽい・・

(以下wikipediaより引用)
改定常用漢字表では196字が追加されたが、このうち「臆」「潰」「毀」「窟」「腎」「汎」「哺」「闇」の8字が、「同音の漢字による書きかえ」に含まれている 。音「アン」が掲げられなかった「闇」を除く7字について、「同音の漢字による書きかえ」に含まれる13語を次に示す。
ただし、そもそも「同音の漢字による書きかえ」は「当用漢字の適用を円滑にするため」のものであり、現行の常用漢字・改定常用漢字の「漢字使用の目安」という性格に照らせば、書き換えを行う必要はないことに留意されたい

臆説→憶説 臆測→憶測 潰滅→壊滅 潰乱→壊乱 肝腎→肝心 決潰→決壊 広汎→広範 全潰→全壊 倒潰→倒壊 破毀→破棄 哺育→保育 崩潰→崩壊 理窟→理屈


 

wikipedia (閲覧20160923)より
書き換えの例(以下引用)

 

国語審議会報告にはないが、新聞や学術用語集で用いられているものや、その他一般に使われることがあるものもある。

啞(唖)鈴→亜鈴 萎縮→委縮 一攫千金→一獲千金 湮滅→隠滅 臆断→憶断 臆病→憶病 回游→回遊 箇条書き→個条書き 確乎→確固 恰好→格好 恰幅→格幅 函数→関数 貫禄→貫録 義捐→義援 嬉々→喜々 毀損→棄損 気魄→気迫 詭弁→奇弁・危弁 嬉遊曲→喜遊曲 饗宴→供宴 橋頭堡→橋頭保 共軛→共役 醵金→拠金 醵出→拠出 禁錮→禁固 均斉→均整 燻蒸→薫蒸 敬虔→敬謙 激昂→激高 肩胛骨→肩甲骨 建蔽率→建坪率 眩惑→幻惑 勾引→拘引 耕耘機→耕運機 昂進(亢進)→高進 合辦(辛二つの間に力)→合弁 渾然→混然 鑿岩→削岩 三叉路→三差路 質種→質草 紫斑→紫班 馴化→順化 遵守→順守 遵法→順法 醇朴→純朴 駿馬→俊馬 饒舌→冗舌 絛虫→条虫 食餌→食事 新撰→新選 心搏→心拍 撰者→選者 撰集→選集 撰修→選修 尖兵→先兵 擡頭→台頭 高嶺の花→高根の花 断乎→断固 抽籤→抽選 鳥瞰→鳥観 輾転反側→展転反側 臀部→殿部 当籤→当選 廃墟→廃虚 買辦(辛二つの間に力)→買弁 白堊→白亜
搏動→拍動 波瀾→波乱 斑点→班点 菲才→非才 飄然→漂然 披瀝→披歴 諷喩→風諭 敷衍→敷延 扮装→粉装 分溜→分留 辮髪→弁髪 扁平→偏平 防遏→防圧 捧持→奉持 芳醇→芳純 膨脹→膨張 堡塁→保塁 拇指→母指 脈搏→脈拍 明媚→明美 友誼→友宜 優駿→優俊 悠然→裕然 油槽船→油送船 輿論→世論 落伍→落後 濫獲→乱獲 濫掘→乱掘 濫作→乱作 濫造→乱造 濫読→乱読 濫伐→乱伐 濫発→乱発 濫費→乱費 濫用→乱用 溜飲→留飲 溜出→留出 料簡→了見 嗹→連

 

改定常用漢字表 における
表内字(表外音訓も含む)

縮→委縮
断→憶断 臆病→憶病
条書き→個条書き
損→棄損
→禁固
→均整
引→拘引
→質草
→紫班 斑点→班点
守→順守 遵法→順法
→食事
→風諭
然→裕然
船→油送船
獲→乱獲 濫掘→乱掘 濫作→乱作 濫造→乱造 濫読→乱読 濫伐→乱伐 濫発→乱発 濫費→乱費 濫用→乱用
料簡→了見

meこちらについては、 躊躇なく、
元の字を書くと思う・・

 

元々異なる意味の熟語が書き換えなどにより、混同している例

「掩護」と「援護」
掩護とは、敵の攻撃から、味方の行動を守ること。「―射撃」

援護とは、困っている人を助け守ること。「被災者を―する」

 

「徽章」と「記章」
徽章とは、身分・資格・所属団体などを表すために、衣服・帽子などにつけるしるしのこと。バッジ。「制帽の―」
記章とは、記念として参加者・関係者に与えるしるしのこと。「従軍―」

 

「綺談」と「奇談」
綺談とは、巧みに作られた、面白い話のこと。
奇談とは、変わった、珍しい話のこと。不思議な話。「珍談―」

 

「教誨」と「教戒」 教誨とは、(受刑者などに)教え諭すこと。「―師」 教戒(教誡)とは、教え戒めること。ただ、実際にはこの語はほとんど使われない。

 

「昏迷」と「混迷」
昏迷とは、道理に暗くて、分別の定まらないこと。また、医学用語で、意識はあるが、外部からの刺激に反応しない状態のことを指す。実際にはこの語は「道理に暗い」意ではほとんど使われず、専ら医学用語として用いられる。
混迷とは、複雑に入り交じって、見通しがつかないこと。「―する政局」

 

「蒐集」と「収集」
蒐集とは、趣味や研究などのために、ある種の物や資料をたくさん集めること。コレクション。「切手の―」
収集とは、寄せ集めること。「ごみの―」

 

「情誼」と「情義」
情誼とは、人とつきあう上での人情や誠意のこと。「―に厚い」
情義とは、人情と義理のこと。「―を欠く」

 

「牆壁」と「障壁」
牆壁とは、垣根と壁のこと。「防火―」
障壁とは、妨げとなるもののこと。「関税―」

 

「棲息」と「生息」
棲息とは、ある場所に棲むこと。生物学では動物についていう。「猿の―地」
生息とは、生きて生活すること。生存すること。生物学では植物についていう。「都会に―する」「高山に―する植物」

 

「洗滌」と「洗浄」
洗滌とは、洗って綺麗にすること。水・薬剤などでそそぎ洗うこと。「洗滌」は本来は「せんでき」で、「せんじょう」は慣用読み。「胃を―する」
洗浄とは、仏教で、心身を洗い清めること。ただ、実際にはこの語はほとんど使われない。

 

「尖端」と「先端」
尖端とは、尖った物の先の部分。また、時代や流行の先頭のこと。「錐(きり)の―」「岬の―」「時代の―」「流行の―」「―技術」
先端とは、長い物の一番端の部分。「棒の―」

 

「破毀」と「破棄」
破毀とは、法律用語で、上級裁判所が、上訴を理由ありと認め原判決を取り消すこと。「原判決を―する」
破棄とは、破り捨てること。また、契約・取り決めなどを一方的に取り消すこと。「書類を―する」「契約を―する」

 

「哺育」と「保育」
哺育とは、動物の親が、乳や食べ物を与えて子を育てること。
保育とは、乳幼児を保護し育てること。「―園」「―器」「―所」

「妨碍」と「妨害」 妨碍とは、道に物を置いて通行を妨げること。 妨害とは、相手に危害を加えて物事の遂行を妨げること

 

「厖大」と「膨大」
厖大とは、形容動詞で、量や規模が大きいさま。「―な計画」「―な予算」
膨大とは、サ変動詞で、膨れて大きくなること。「予算が―する」

 

椿

「椿事」と「珍事」
椿事とは思いがけない大変な出来事。「春先の―」
珍事とはめずらしい出来事。「前代未聞の―」

me上については、きちんと区別して、書きわけるものと思う・・(私個人の漢字の使い分けの話であるが)

障碍→障害
「障害」と言う表記は日本に特有であり、他の漢字文化圏では「碍(礙)」と「害」の発音が異なるため「障害」と言う表記は一般に用いられない。

追加された字種

2010年の改定で常用漢字表に追加された字種
(再掲)

改訂で常用漢字表に追加された字種(196字) 挨 曖 宛 嵐 畏 萎 椅 彙 茨 咽 淫 唄 鬱 怨 媛 艶 旺 岡 臆 俺 苛 牙 瓦 楷 潰 諧 崖 蓋 骸 柿 顎 葛 釜 鎌 韓 玩 伎 亀 毀 畿 臼 嗅 巾 僅 錦 惧 串 窟 熊 詣 憬 稽 隙 桁 拳 鍵 舷 股 虎 錮 勾 梗 喉 乞 傲 駒 頃 痕 沙 挫 采 塞 埼 柵 刹 拶 斬 恣 摯 餌 鹿 叱 嫉 腫 呪 袖 羞 蹴 憧 拭 尻 芯 腎 須 裾 凄 醒 脊 戚 煎 羨 腺 詮 箋 膳 狙 遡 曽 爽 痩 踪 捉 遜 汰 唾 堆 戴 誰 旦 綻 緻 酎 貼 嘲 捗 椎 爪 鶴 諦 溺 塡 妬 賭 藤 瞳 栃 頓 貪 丼 那 奈 梨 謎 鍋 匂 虹 捻 罵 剝 箸 氾 汎 阪 斑 眉 膝 肘 訃 阜 蔽 餅 璧 蔑 哺 蜂 貌 頰 睦 勃 昧 枕 蜜 冥 麺 冶 弥 闇 喩 湧 妖 瘍 沃 拉 辣 藍 璃 慄 侶 瞭 瑠 呂 賂 弄 籠 麓 脇

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