2023年 干支の兎と徒然草と
2022年12月のアドベント期間に、2023年の干支の兎尽くしと、『徒然草』の連続読みというやつをやりまして、
→(目次)nekomegami/advent/2022/
兎の古代漢字も見ました・・https://bymn.xsrv.jp/nekomegami/advent/2022/20221218.html
篆文(2400年前?) 図の上は兎の頭、最後の点はシッポ。 兎の部はない。 |
明治書院のコンテンツ「今月の漢文」
兎尽くしのほか、徒然草も読んでいたわけですが、
兼好が「文は文選のあはれなる巻々」というので、そのあたりをみて、
見つけた明治書院のコンテンツに、
「今月の漢文」というのがありまして、あとで読もう、と思っていたのでした・・・
ここでついでにそれをすることににします。
明治書院の「新釈漢文大系(全120巻・別巻1)、
新書版のうち文選など何冊か買おうと思ったのですが、
まだ買っていなかった。
明治書院のサイトの「今月の漢文」を見ると、
2009年1月から2015年1月の73回分あり、初めの一回は、
沈約の詩
(新釈漢文大系60)
初春・・春とは名のみの景色、と。
※沈約(441 – 513)(wikipedia)
他の年の1月も見ておきます。(後ほど2月からの詩もその月に見ていきます)
韓愈の詩
・奉和庫部盧四兄曹長元日朝廻 唐、韓愈
元旦の朝議の様(新釈漢文大系19 唐詩選)
※韓愈(かんゆ、768‐824)(wikipedia)
蘇頲の詩
・奉和初春幸太平公主南莊應制 初唐、蘇頲
(新釈漢文大系 唐詩選)
※蘇 頲(そ てい、670- 727)(wikipedia)
白居易の詩
・曲江早春 中唐、白居易
(新釈漢文大系 白氏文集3)(2022年12月に見たこと)
※白居易(はく きょい、772‐846)(wikipedia)
・早春持齋、答皇甫十見 中唐、白居易
(新釈漢文大系 白氏文集3)
・正月三日閑行 中唐、白居易
(新釈漢文大系 白氏文集9)
黃鸝巷口鶯欲語,烏鵲河頭冰欲銷。
綠浪東西南北水,紅欄三百九十橋。
鴛鴦蕩漾雙雙翅,楊柳交加萬萬條。
借問春風來早晚,只從前日到今朝。唐代屈指の大詩人白居易(楽天)の自撰全集である『白氏文集』は全七十五巻、現存するのは七十一巻である。収録詩文は三千八百首に余る。「長恨歌」「琵琶行」をはじめ、「秦中吟」「新楽府」等の諷諭詩など、彼の詩歌が王侯貴紳から庶民娼妓に至るまで、きわめて広範な階層の人々に愛誦された。白居易の詩は彼の生存中に日本にも伝わって来た。『枕草子』にも“文は文集、文選…”とあり、『源氏物語』をはじめ『平家物語』『和漢朗詠集』など、平安時代以後の日本文学に絶大な影響を与えたことはよく知られている。唐代の文学理念の主流は文辞を飾ることを評価したために、平易明解な白居易の作風は、元槇と並んで元軽白俗という評を与えられ、『唐詩選』をはじめとして主要な詩文集には採られなかった。しかし、豊潤な教養と新鮮な情感から溢れ出る白居易の個性豊かな詩歌文辞は、平明円滑な中に雅致に富み、時代を超えて、洋の東西を問わず、今もなお読む者の心を魅了してやまない。本書は、『白氏文集』に駆使された俗語や雅語の一つ一つを的確に解釈し、万全な鑑賞を志すもの。本邦初の全訳である。
「新釈漢文大系 白氏文集」(全13巻・16冊)
以上、やっぱり、挙げられていたのは、白居易の詩が多いが、話しを戻して、
本題であるが、2022年のアドベント期間にやった兎尽くしの中の、
兎のイメージ.象徴のピックアップを・・井本英一著『十二支動物の話』
井本英一著『十二支動物の話』をまとめたわけだが、直し必要。
(advent/2022/20221201a)
シンボルとしてのウサギ
豊饒と淫奔の象徴としての兎はキリスト教世界では聖母マリアの足元に配されたが、聖母が肉欲を克服したことを示すものとされた。 白い兎は白によって浄化されら生殖、聖母マリア感応からの勝利を表すとも説明されている.
兎はアフロディテの使いなので、古くから結婚指輪に兎を彫った。(多産のシンボル)
交尾の後排卵するしくみ(浮気っぽさ)
兎の欠唇の形の連想
江戸時代に遊郭に通うものが羽織を頭からかぶった様から兎と称する
ノウサギは目を開けたまま眠ると信じられており、中世の医学では野兎の肉は不眠の原因となると考えられていたので、「警戒心」の象徴となった。
(古代ギリシアではウサギの肉を食べると9日間は美しくなれるとされていた。)
大地母神ばもともと地下の神であり、穀霊でもある兎も地下のものであるので、再生を祈願した絵馬の一種と考えてよかろう。
臆病の象徴ドイツ語で「ウサギの足 Hasenfuß」 は臆病者の意。
中世はノウサギに追われて逃げる兵士の図像がシンボルとして「臆病」をあらわすものであった。(『図説世界シンボル事典』ハンス・ビ―ダ―マン)
(advent/2022/20221219.html)
兎は万物の豊饒のシンボル
兎は東西にわたって、季節の変わり目で出現する動物であった。
野兎は本来、イースターの語源となったサクソン族の春と暁の女神であるエーオストレの聖獣であった。そしてこの野兎が復活祭の卵を持ってくると信じられていた。
ケルト民族の古俗:メーデー前夜の火祭り(ベルテーン祭)で、魔女が兎に変身する。
ドイツではこの夜を、ワルプルギスの夜という。
フレーザー『呪術と王発生』第2巻、ロンドン、1911
??魔女の宴はともかく、魔女がウサギに変身するというの初めて見る??
瑞獣としての兎
古来白い動物が瑞兆として献じられた。
白兎も報じられたことが、『後漢書』などに見られる。
しかし白兎より、赤兎の方がもっと瑞祥で、王者が徳盛んなれば現われるという。白兎は王者が老人を敬すれば現われるという。
奈良県の藤ノ木古墳出土の鞍金具の静和に、パルメットと共に兎や象や獅子が描かれている。6世紀の日本や東アジアでは、兎が瑞獸の一つに数えられたと考えられる。
中宮寺に残る天寿国曼荼羅には月中で餅を搗く兎がはっきり読み取れる。6世紀の中国の『荊楚歳時記』には兎は現れない。違った文化の世界があったことを物語る。
幸運を手にする呪(まじない)として兎の足を持ち歩く。
野兎の足首の骨は腹痛の妙薬になる(条件があるが)
兎の足は極めて速いので、呪術性を持っていた。
野兎のしっぽを子供の枕の下に入れておくと、子どもは熟睡でき、兎の血を馬にやると、馬は速く走れるようになる。
兎と馬を足の速い動物とみなす伝統は中国にもあり。関羽の所有に帰した名馬の名は赤兎。