「形の美とは何か」


形の美と形の体系

形の美とは何か (NHKブックス) 2000年3月刊
三井秀樹さんのNHKブックスの一冊であるが、あとがきによれば、目指したのは、
形の体系の見直しと提言、
非定形の美学=複雑系の科学と自然の造形美の関わり
人類が築きあげた文化の形の捉えなおし

…ということであったが、体系的に捉えなおすというのは実に面白い。
唐草文様(*)の原型の話もあり、 σ(^^ゞの興味にぴったりあっている本なので、少しここでじっくり読んでおきます。
(*紋様と表記されているが、…)

ちなみにご専門外のガーデニングの愉しみ―私流庭づくりへの挑戦 (中公新書)もわたしにぴったり。


目次
第1章 形を見直す
第2章 形の美学
第3章 飾る形
第4章 非定形を測る
第5章 複雑系の美学

腰巻

原始文様から複雑系の形まで

惹句

人は古来、さまざまな形にどのような意味をこめ、美を創造したきたのか。紋様や美術、工業デザイン、建築に表現された多様な形。山や雲、川など自然界の形とマルや三角、四角、放物線など幾何学的な人工の形。形の体系を見直し、自然の造形に西洋の美の原理、黄金比と近似の関係を見出して、新しい構成学の地平を切り拓く。また、自然主義的な日本の造形美の秘密を解き明かし、近代的造形の世界で軽視されてきた自然界の奥深い形の復権をはかる意欲作 。
キーワード
視覚的快感 : 構成美,黄金比,
西洋の美の基本概念である黄金比(A:B=A:(A+B)=1:1.618……となる関係)
「定形」(数理的な秩序に基づくもの) 「構 …反復(リピテーション)、交代(オルタネーション)

フラクタル(自己相似系・複雑系)
日本の伝統的な装飾、結びの形と折りの形

以上予習2007-08-22

σ(^^ゞの課題はこの本の第三章ですね
第三章飾る形目次
原始文様の形/ 機能主義と装飾願望/ 装飾と抽象/ 装飾の美学/ 西洋の文様と日本の文様/ シンボルとサイン


ここで真っ先に抜き書きした個所は 原始文様の形でした 美術の歴史は装飾の歴史であり、装飾は人間の根源的な要求であること。 古代文明は特有の装飾のパターン・文様を伴うこと。 人間は装飾するホモ・サピエンス 時代の様式の普遍的な造形性をもった、アノミマス(匿名の)美
原始文様は幾何学的形体がほとんど。 呪術、祈願 明視性、認知性、象形性
円、同心円、渦巻き 三角、四角、六角、 鋸歯、山形、波形、流水形、 縄文形、直弧形、雷文形
これらの形体に加え…動植物の具象的な形体が登場してくるが
いずれも象徴的な表現で記号化されたものが多い (P98)

図2−4パピルスとその装飾パターン(P100)
アカンサス、アンテミス、スイカズラ(忍冬)、パーム、ローレル(月桂樹) (P108)

用語

文献集





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