渦巻文

『螺旋の神秘‐人類の夢と恐れ‐ 』

イメージの博物誌7 平凡社刊 ジル・バース著 高橋巌訳(1978/1)

「螺旋は無限の象徴である。螺旋上の一回転は一つの完結であり、同時にまた新しい局面への出発点である。」

「一つの死であるとともにまた再生でもある。 人はこの永遠の中で、何度行き、何度死ぬのだろうか。あらゆる宗教、神話、伝説が螺旋を物語る」

原題:The Mystic Spiral Journey of the Soul

Raimundusルルスalchemic錬金術page
表紙はライムンドゥルス・ルルスの『化学書』(15世紀)
この図が本文で インド神話の乳海撹拌と並べてあるのを見て、非常に驚いた。
なるほど・・である。 .


Wikipediaライムンドゥルス・ルルス
Ramon Llull , Raymundus Lullus (1232年 – 1315年6月29日石打ち刑)

目次


霊魂の旅 流転、その形式と象徴
進化する螺旋
呼吸する宇宙
生命の螺旋
二つの永遠
中心
内在神か超越神か
宇宙的リズムの小宇宙的模倣
星間渦巻きと生命の樹
体内螺旋の拡張と収縮
迷宮と舞踏
あらゆる原因はそれ自身の原因の結果である

図版
資料図版とその解説
宇宙の目ざめ
心の迷宮
蛇のマンダラ
人間の神秘体、樹と宮
地のからだ、宮と穴
死と諸世界の均衡
生命の樹と心臓
迷路
戦士
意識の構造と進化
宇宙卵の割れ方
天地の統一とその力動的均衡
小道
諸世界、次元と方向
宇宙秩序とエクスタシー舞踏
進化

65+109図あり
表紙は上述、ライムンドゥルス・ルルスの『化学書』(p21第5図)


螺旋形は無限を象徴している、とあるが、なかなか難解なので、少し飛ばし、見覚えのある図版の方からみていきます。

p87 56図は例の太古の螺旋、ニューグランジの墳墓の入口におかれた境界石
至聖所への入口
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聖なる内部に入るために、渦巻のモティーフで飾られた障壁を通過することは、迷宮同様、西域へ至るための必要な道程であった。

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55図 アル・タルクシエン神殿入り口の渦巻く眼、マルタ島
紀元前 2400-2300年

p78 46図
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ヘブライ人がベテル(神の宮)と呼んだ「奇妙な石の玉」はジェームズ・フレーザーによれば、「黒い丸型で魂が入っており、生きて空中を飛び、ささやき声で魔術師でなければ解けないような神言を語った」という。

_____________________太鼓____

p78
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各面は異なる渦巻文を示し、各直径2 3センチほどである。ほとんど四面体に近く、占ト用としてサイコロのようにころがすことができるくらいである。
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p78
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迷宮や墳墓と一緒に発見されているから、この石球は「賢者の石」のように、 その四面体によって全体性を、そして、
死と再生の目標を表現しているのかもしれない。
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ベテルを検索したのだが、Wikipedia日本語ページには、旧約聖書に登場する地名としか出ていない。 英語ページでは、「イスラエルの古代都市」等の他に、Bethel_(god)もあり。 (ベテル(神) 、神の名前や神のいくつかの側面)
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Or to put it another way, the stone at Bethel which was named House-of-God was also a god in itself, a manifestation of the god Bethel.それとも別の言い方をすれば、神の家と名付けられたベテルの石はまた神自身、ベセル神のしるしだった。

(エジプトのハトホルが、ホルスの家をあらわすと同様)
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グラス・トウィー出土 found at Towie, Aberdeenshire、スコットランド。 紀元前3000年期。
検索したところ、岩波美術館第12室「いろとかたちのリズム 」にあり・
(渦巻きのある石球 新石器時代,エディンバラ,スコットランド古代美術館
新石器時代の多面体
(数学的な興味で引用されている)

photo by ralph-abraham.org

Wikipedia彫刻の石球は425ケ程知られているそうだ。
Towriepetrosphere


p78に、マオリ人の顔のタットーについて記述あり
・・関連ページは身体装飾:タットーtattoo

p78

石にではなく、直接自分の体に彫り込むことによって、渦巻きが表現しているエネルギーの流れを高めコントロールする。
渦巻きは不滅減るうジル鍵でもあす。
マオリ族の伝説は死後恐ろしい魔女に遭遇した魂のことを詳しく物語っている。
その魔女は死者の入れ墨の渦巻きを貪り食うと、、 「生命の国マウラを通って、死の国ボウロまで行け」と命じる。
それだら、死者の眼に触って、その眼が「霊のヴィジョン」を見ることができるようにする。
しかし、もし入れ墨が見つからないと、彼女は代わりに眼球を食べてしまう。
だから魂は盲いて不滅の国を見出すことができなくなる。


リーグルの本のマオリ族を見ていましたが、(http://www.karakusamon.com/2010/riegel31zu.html)、このような話はかかれていなかったので、興味深い。


文様に表される
図形の対象(西洋)

(byヨーロッパの
文様事典
)
幾何学文様
渦巻
ギローシュ(組紐文)、
メアンダー(雷文)、
アラベスク、
連珠、
チェッカー
(市松文様)
植物文様
動物文様
幻想動物文様 器物文様
壺と植物
フェストゥーン
(花綱)、
コルヌコピア、
(豊饒の角)
トロフィー、
キャンデラブラム
(燭台)、
仮面、
グロテスク
(人工洞窟)、
エッグ&ダーツ、
カルトゥーシュ
(装飾枠)、
フォイル
(葉文様/花弁文様)、
帆立貝/ロカイユ
(貝殻状)