中国



目次読書

(「BOOK」データベースより) ==以下引用===========
平気で海賊版を作ったり、粗悪品を売りつけたり、指摘すると居直ったり……。 中国人の言動は、日本人には一見、デタラメで身勝手にしか思えない。 しかしそこには、歴史や風土に培われた彼らなりの理屈がある。 古典作品から現代風俗にまで通じた気鋭の中国文学研究者が、摩訶不思議な中国人の思考回路を大解剖。
はじめに
1988年3月24日「上海列車事故」
2010年、中国のGDPは日本を追い抜いた
2011年7月23日「温州士鉄道衝突脱線事故」 (中国の鉄道事業は、政府が独占し、やりたい放題。汚職や粗製濫造の手抜き工事も蔓延している)
中国人はなぜ…


序章 中国でもし東日本大震災が起こっていたら
中国なら大災害で政権が代わる? 天災だからしょうがない 政府に期待なんかしていない 海外へのリスク分散は当然
 
一章 中国人はなぜルールを守らないのか
警察の捜査も裁判も帳尻合わせ あてにならない中国の統計の数字 上に政策あれば下に対策あり 建前キャラと本音キャラ 京劇のヒロインは二人組 愛されるのは二面性のある悪役 汚い場所はとことん汚く、田舎はとことん田舎 マニュアルは壊すため、約束は破るためのもの 
 
二章 中国人はなぜ他民族に噛みつくのか
城壁で囲まないと落ち着かない 陸続きで攻め込まれる恐怖 危機意識と中央集権体制は表裏一体 中国では「皇帝」は世界にただ一人! 中国の地域差別はアパルトヘイト並み 政府の意向を示せるのは経済成長率のみ 旧ソ連崩壊というトラウマ 中国海軍は手柄作りに必死
経済成長の停滞、地方の独立、民主化の三つのうちどれか一つでも起これば政権崩壊する、この三つを阻止して旧ソ連の二の舞になるな、というのが共産党幹部の暗黙の了解事項
中国海軍は軍神を作りたい
 
三章 中国人の歴史認識はなぜ日本と食い違うのか
愛国心の原点は宋の時代 史上ナンバーワンの悪役は売国奴 人物評価は国益次第 難かしい日本人再評価 発端はアヘン戦争 スペインが好かれる理由 若い世代ほど中華思想が復活
岳飛を死刑にした宋の宰相秦檜(しんかい) Wikipedia「岳飛 (1103年 - 1142年1月27日)は、中国南宋の武将。その背には母親によって彫られたとされる黥(入れ墨)の「尽(精)忠報国」の四文字があったという。杭州の西湖のほとりには岳王廟が建立され墓の前には、彼らを陥れた秦檜夫婦・張俊らが縄で繋がれた形で正座させられている像がある」
第四章 中国人はなぜ金にうるさいのか
軍事地帯の公開も金次第 お金さえあれば何でもできる 金儲けを恥じる意識はない お金持ち以外の名誉がない 官僚には大金持ちのパトロンが付きもの 日本以上に激しい格差社会 「民主化よりもお金」が本音 人間は動いてこそ生きる 事由が欲しければ国を捨てる 
 五章 中国人はなぜ大口を叩きたがるのか
中国人は四角フェチ いったん決めたら変えられない 枠組みがあると落ち着く スローガンが大好き 大義名分を重視する文化 トップは大ボラを吹くのも仕事 ビジネスにも大義名分が必要
五行思想では森羅万象はすべて、木、火、土、金、水の五つに当てはめられると考えてられていて、何でもその四角い表に当てはめようとする
なぜ関羽は顔赤いのか。 五行で言うと赤は誠の色。曹操は白。(残酷)※『怪の漢文力』でも紹介したがなぜ世界中に黄色人種と白人と 黒人がいあるかもこれで説明できる。世界の中心は黄色)
五行は5種類しかないので困ったことも起こる。
中国の占星術では天王星、海王星、冥王星は無視する。人体の内臓五臓六腑、近代になって発見された膵臓をあてはめる場所がない 。一番の問題は脳の扱い。 新しいものが入ってきたとい、従来の枠に当てはまらないと無視せざるをえない。
中国の民族は「漢族」と五十五種の少数民族。
『西遊記』は終着地がインドの天竺で、最終回まで 着けると誰もがわかっている。


確かにこの交通網は四角形である


五行思想(~_~;)(※続く)

六章 中国人科学者はなぜノーベル賞を受賞できないのか
枠組みからはずれると弱い フェアプレイ精神が未発達 「知識のための知識」は苦手 中国に哲学はない 中国思想は人間関係の処世術
ノーベル賞は基本的に実用的な発明にはあまり与えられない。
中国では実学志向が強い
科学とはそれだけでは役に立たないもの。  中国人は先着順やプライオリティにはこだわらない。
哲学は数学と同じでプロセスであり、名詞ではなく動詞である。思想は哲学の結果生じたもの。哲学と思想には、科学と技術と同じ違いがある。 孔子の時代から、あんまり人間世界の役に立たないことを研究するのはよくないとい思われてきた。 インド人やギリシア人は違う。玄奘三蔵はインドへお経を取りに行ったことになっているが、実は哲学を勉強にしにいった。中国の本屋の「智謀学図書」(人間関係とか実社会で使える処世術)『論語』も『老子』も『韓非子』も処世術の本であって、ヨーロッパ的な意味での論理的、形而上的な哲学書ではない。 儒教のテーマはいかにして人間関係・家族関係をうまくやるか。孔子の説いているのは、学問をして人徳による統治をしなさいということ。 お釈迦様の教えは、「一つの所にとどまるな、最後は野たれ死ににしても、犀(サイ)の角の如く一人で歩め」
老子は「大都会ではなく小さい村で原始的な素朴な生活をしましょう」 (共同体を小さくしよう)
(いかにして人生をうまくやるか)
七章 中国人はなぜ大声で喧嘩するのか
人間関係でエネルギーの大半を消耗 寅さん的な義理人情の世界 日本以上に肩書き重視 切腹は抗議の手段 夫婦喧嘩も戦争も世論に訴える戦法 「お前は俺の受精卵だ!」 中国思想は人間関係の処世術
中国は圧倒的に小人の濃厚な人間関係 。摩擦係数が高い・摩擦係数の低い社会で生れた人間は、自分の一生涯の持てる力を自分のやりたいことに集中できる。 一生で一番摩擦が大きいのは家族関係。イギリス人は、結婚しなくてもだれも文句を言わない。ニュートンやシャーロック・ホームズみたいな独身主義の変人は、中国では社会的な不適応者とされてしまって、摩擦損失で天才にはなれない。イギリスでは天才になれる。 中国人は面倒見がいい。人間関係が社会的インフラになっている。甘え甘えられる 日本ではバーチャル空間と現実空間の間に、メディアというものがあり、一応言論の自由がある。中国では言論の自由がないので、インターネットの情報が猛威をふるってしまう場合がある。「人肉攻撃」
罵倒語
八章 中国人はこれからどうなるのか 
中国のずさんさは戦前の日本も同じ 日本の「一九七〇年」と中国の「一九八六年」 若者文化も日本を追走 新人類の誕生も十数年遅れ ネットでの交流も拡大中 戦前上海のブルジョワ文化への憧れ 「政治」「経済」「文化」の順に変化が進行 似た者同士が仲良しとはかぎらない
メイドインジャパンがよいイメージになったのは一九七○年以降
日本は江戸時代から衛生的な先進国だったと思っている人もいますが、そんなことはない
日本人が勤勉だというのは、昭和の高度経済成長期に生まれた神話
中国では日本の二十年~百年遅れて追っかけている。日本と中国の経済成長の時差は「ルイスの転換点」で比べると 約五十年。 (※アーサー・ルイス。農業から工業に労働人口が移行しつくして、工業に従事する人口が不足するのがいつなのかという指標) 日本 は一九六〇年が転換点。
一九九○年代に就労人口の伸びが止まって少子高齢化に。中国ではニ〇一五年に急激な就労人口の減少が始まる。
戦前・戦後の区分よりより時代が下ると、一九七〇年代が時代の区切り。
中国では、一九四九の建国と一九七六年の毛沢東の死去、一九八九年天安門事件で、民主化をあきらめる。 鄧小平が一人っ子政策を始める

あとがき
日中友好の秘訣は簡単である。日本が強い国になればよい。政治力、経済力、文化力、宣伝力、ブランド力、国際社会における高感度、道徳や品格、未来の可能性の魅力、何でもよい。 問題は、近年の日本がいろいろな意味で力を失っていることである。中国人の腹の内を探ることは、それを鏡として、日本を振り返る作業である。

『漢文の素養』の方で、明治時代の日本人の新漢語造語と、中国の現在の新漢語造語を比べて、 、 今の日本の駄目さ加減(?)を言ってましたが、 こちらは、論考とか教育というより、 なぜ中国人はノーベル賞を受賞できないかというような話もある、トピック的なエッセイで  中国人は考え方にも枠を必要とする、四角フェチなので それを破るということは中国人の伝統的考え方からは難しい、というか、 五行思想の枠があまりに強烈なので、 惑星も5つ以外認められていないとかいう・・(ここちょっと正確な引用ではないですが)痛快だったのだが、 よく読むとやはり顧みて自分(日本人)の話をしていますよね。 面白い。
とにかく、続く~~「本当は危ない『論語』」の目次読書へ~~2013-01-16


Photo 2013年1月2日

  「京劇―「政治の国」の俳優群像」 (2002年1月 中公叢書)
「西太后―大清帝国最後の光芒 」(2005年9月 中公新書)
「漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?」(2006年2月 光文社新書)※ 「貝と羊の中国人」(2006年6月 新潮選書)※羊:羊の漢字
歴史に好奇心 2007年4ー5月 (NHK知るを楽しむ/木)  (2007年3月 日本放送出版協会)
「漢文力」(2007年8月 中公文庫)
歴史に好奇心 2008年8ー9月 (NHK知るを楽しむ/木) (2008年7月 日本放送出版協会) 「絵でよむ漢文」(2010年7月朝日出版社)
「怪力乱神 」(2010年8月 中公文庫) 「中国古典からの発想―漢文・京劇・中国人」(2010年9月 中央公論新社 ) 「怪の漢文力 中北古典の想像力」(2010年10月 中公文庫)
本当は危ない『論語』」(2011年2月 NHK出版新書)
東洋脳×西洋脳―多極化する世界で生きるヒント」(2011年3月 中公新書ラクレ) ※加藤・茂木
NHKカルチャーラジオ 文学の世界 中国古典のスターたち」(2011年6月 NHKシリーズ) 「中国人の腹のうち」 (2011年8月 廣済堂新書) ※このぺ―ジ
「漢詩の絵本」(2012年1月ナツメ社 )

上に戻る


クレオパトラ

サーチボックスあり