東洋脳×西洋脳

加藤徹×茂木健一郎の本を読む

多極化する世界で生きるヒント

東洋脳×西洋脳―多極化する世界で生きるヒント (中公新書ラクレ)
2011年3月10日刊 

  この本は茂木健一郎さんが加藤徹さんの「漢文力」(中公文庫)を読んで、ここ10年くらいの最大のマイブームになったということから始まった対談ということですが、それ(マイブーム)わかります。
ところで、中国には文化的に恩があると思いますが、最近のいろいろな報道を見ると、嫌いになっていまして・・
それが、修正されるような対談でした。

3/17読了 3/21記

以下が最も印象に残っている話

二十世紀は「普遍志向の世紀」だった
普遍のあり方はたくさん存在する
「民主主義」という西洋的「普遍」も中国人は「普遍」と認めない
(民主主義国イギリスによる)アヘン戦争でひどい目にあったという記憶がある
日本は仲間からの「同質化圧力」が高い
細かいことを気にしなければならないということが、日本の社会のイノベーションへの活力を奪っている


西洋的「普遍」概念の「適用限界」ってどうなの?、それって普遍というものじゃないんじゃないの?という感じ・・
読み違いあるか、少しおいて再読します

目次読書

まえがき 茂木健一郎(Wikipedia

第一講 多極化する世界で生きるということ


1.僕が中国に興味をもったワケ
  • 中国が持っている文化的な可能性の芯
  • 思考実験は漢文的?
  • 翻訳文化を超えること
  • 中国とは何者なのか
  • オープン・ダイナミック・システム

2.近くて遠い隣人のホントの姿
  • リスク分散の播種本能
  • 中国人はどこに行っても中国人
  • アヘン戦争後の「屈辱の100年」
  • 民族のアイデンティティ
  • 歴史的な経験から来る身体感覚
  • 革命は理科系から
  • なぜ中国のエリートは海外流出するのか
  • 文化の長所と短所は紙一重

3.多極化した世界におけるエクササイズ
  • 普遍をどうとらえるか
  • 「陸沈」という選択肢
  • 多極化の本当の意味とは
  • 多民族国家としての中国
  • 異質なものが隣にいるということ
  • 中国という方程式への戸惑い

第二講 漢字の凝縮力


1.和文脈・欧文脈・漢文脈
  • 言語の得意分野
  • 「網の掛け方」は言語によって違う
  • 漢文は演説に不向き?
  • 世界でも稀な凝縮力

2.万物を短音節にマッピングすること
  • 短音節は合理性の表れ?
  • 聞き分けるための工夫
3.中国文化はエントリーコストが高い?
  • 書記投資が必要な中国語
  • 科挙はクラブメンバー選別試験
  • エントリーコストを下げる努力
  • クラブメンバーは心地よい

第三講 見える世界、見えない世界


1.あの世とこの世、宗教と科学
  • 宗教と科学は対リスするのか
  • プラトンの与えた影響
  • 自然法則によって支配される

2.「知的な野蛮人」という理想
  • 一般向け講義をいとわないイギリスの知識人
  • 後代になるほど難しくなる儒教
  • 「水割り」の朱子学
  • 西洋と東洋の知的な体系の違い
  • エスタブリッシュメントになれなかった毛沢東
  • イギリスはアナーキーを好む?
  • 「文質彬彬として、しかる後に君子なり」

3.「未知」の西洋、「既知」の東洋
  • オープンエンドを肯定?否定?
  • 枠組みの中で無限のパターンを楽しむ
  • 「異端を攻むるはこれ害のみ」という大逆転
  • 過激だった孔子
  • アインシュタインと"deep religious feeling"

第四講 東洋脳×西洋脳


1.リヴァイアサンの時代
  • 王道か、覇道か
  • 西洋民主主義に懐疑的な中国
  • ノーベル平和賞とウィキリークス
  • 世界は「中国化」している?
  • ウィキリークスはパンドラの箱を開けた
  • リヴァイアサンに立ち向かう遺伝子

2.対人関係における西洋・東洋
  • 「エチカ」と「論語」
  • 摩擦抵抗が大きい中国
  • 西洋人は冷たい?
  • 夏目漱石が残した宿題

3.ハイブリッド脳のすすめ
  • 日本人の強み
  • イメージの多様性
  • 漱石の文体は翻訳調
  • 心はハイブリッド
  • 小津安二郎で日本に回帰した
  • 心の中で東洋と西洋がぶつかる
あとがき 加藤徹(WikipediaHP

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