漢字暦

卓上型白川静漢字暦

  今年のカレンダーは平凡社の 白川 静 漢字暦 2011 卓上版
せっかくですので、この1年毎週、そこにある一字の漢字を見ています。
只今は6月。

字源は体系的に、字群によって証明されることを要する」(「字統の編集について」白川静)





2011年第23週

(以下引用)
「字」はもと養育を意味する字であった。
それで「字(やしな)ふ」とよむ。
廟中にかかれている「子(こ)」はその祖廟に謁して、初めて家族の一員と認められるのである。 そのとき字(あざな)をつける。
すなわち「字」もまた、加入儀礼を示す字である。

のち、文字を意味する字となった。

更新日2011年5月29日(日)



犬・伏

2011年第24週

(以下引用)
「犬(けん)」は猟犬として使われたたらしい逞しい犬の形にかかれている。
殷・周代の古い王墓には、王の墓を守る武人とともに
棺の下や墓室の壁寄りのところに、犠牲(いけにえ)として埋められていることがあり、
これを「伏(ふく)」「伏瘞(ふくえい)」という。 「伏」は人と犬とを併せた形。


「瘞」(えい)は埋める意で、 「伏瘞」とは地下の悪霊に備えて、棺を護るものをいう。


更新日2011年5月29日(日)



2011年第25週

(以下引用)
「類(るい)」の元の字は「類」(るい)に作り、 「米」と「犬」と「頁(けつ)」とを組み合わせた形である。
「頁(けつ)」とは儀礼のときの衣冠を整えた姿である。
米と犠牲(いけにえ)の犬を供え、
礼装して拝む形が「類」で、天上の神を祭る祭りの名である。
天上の諸神を祭るときは、犠牲の犬を焼いて、その臭いを天に昇らせて祭った。

更新日2011年6月10日(金)



2011年第26週

(以下引用)
「然(ぜん)」は犠牲(いけにえ)として供えられた
犬の肉犬の肉(然 ぜん)を焼く形で、天上の神を祭るときの祭儀であった
後接続詞の「然(しか)れども」に用いられ、改めて、燃(ねん)の字が作られたが、「然」は「燃」のもとの字である。

更新日2011年6月19日(日)



2011年第27週

(以下引用)
「家(か)」とは先祖を祭る神聖な建物である廟(みたまや)のことである。
そのような建物を建てるときには、まず犠牲の犬を埋めて、その土地の神をなだめ鎮めるために、地鎮祭(じちんさい)を行う。
古い字形では、 犬は殺されたものとして、尾を垂れた形にかかれている。
下部を「豕(し」(豚)とするのは誤りである。

更新日2011年6月19日(日)


次週は2011年も半分すぎて7月へ

更新予定日2011年6月25日(日)


落合淳思さんの「甲骨文字小字典 」 ( (筑摩選書)2011/02/16刊)なども 参照しながら、後ほどさらに追記します。


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口(さい)(さい)

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